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ゴム先物取引のしくみ

ないものを売れるしくみ

ゴム先物取引では「これから値上がりするから安い今のうちに買っておく」だけではなく「これから値下がりするから、高い今のうちに売っておく」ことができます。後者の場合、持っていないゴムを売るのですから違和感があるかも知れません。しかし、「これから値上がりする」ゴムを買う場合も、そもそも5,000キロものゴムを引き取るつもりはないのですから理屈は同じです。
「モノを受け取らずにモノを買える」のは、昨日250円で買ったゴムの価格が、今日260円になったら売って、差額の10円を手に入れようと考えているからです。投資家の立場としては、そもそもゴムを欲しいとは思っていません。株取引も、FX取引も、株券や外国のおカネを金庫にしまいたくて取引するわけではないのと同じです。
同じ考えで「モノを渡さずにモノを売る」のは、きょう250円で売る約束をしながらも、そもそも品物を渡すつもりはなく、240円になったら買い戻して差額を利益として得ることを前提としているからです。

売買の概念図

証拠金

OSEのゴム先物を取引するためには、まず商品先物取引業者に取引口座を開設しなければなりません。そして実際に取引するにあたっては、その取引口座に一定以上の額の資金を預ける必要があります。FX取引と同様で「証拠金」と呼ばれる資金がそれです。
証拠金の額は取引する商品によって異なります。2014年5月現在、ゴム先物取引なら最低の1枚を取引するのに必要な額は5万5,000円、金なら10万2,000円といった具合です。ただしこの額は、正式には「プライス・スキャン・レンジ(PSR)」と呼ばれるものであくまでも最低の金額です。PSRを算出・公表しているのは「日本商品清算機構(JCCH)という機関です。商品先物取引業社はこのPSR以上の額を、取引証拠金として投資家から徴収する決まりになっています。すなわち、同じゴム先物1枚を取引しても、A社とB社では額が異なる可能性があります。
ゴムに限らず投資家が商品先物を取引する際には、証拠金ぎりぎりの額を取引口座に預託するのは現実的ではありません。一概にはいえませんが、例えば1枚ずつ取引するなら最低20万〜30万円、5枚ずつ取引するなら100万円程度の額を預託することをお勧めします。商品先物は資金に余裕をもって取引することがよいでしょう。

証拠金取扱いの例

取引の対象

ゴムシート

OSEで取引されているゴムが天然ゴムであることはすでに説明しましたが、もう少し詳しくいうと、「国際規格(INT)によるリブド・スモークドシート3号および4号で、輸入通関が完了した日から1年を経過しないもの」と定められています。取引の単位は5,000�sで、価格は1�sあたり10銭単位で変化します。
また取引できるのは新甫発会日(新しい取引限月が発生した日)の属する月の翌月から起算して6カ月以内各限月と決められています。

限月のしくみ

商品先物取引にあって、FX取引や株取引にないもの——。それが限月(げんげつ)という考え方です。限月は「取引の期限」と考えればわかりやすいかも知れません。
FXや株は、理屈の上では、いつまででもポジションを持ち続けることが可能です。しかし、商品先物取引では一定の期日がくると、その取引は「強制終了」となってしまいます。その取引最終日を「納会(のうかい)」といいます。納会はゴム現物の受け渡しをする日のことです。ですが商品先物取引はFX取引と同じく差金決済で取引を終了することもできますから、ゴムのシートを受け取ったり渡したりという行為は、必ずしも必要ではありません。実際、取引のほとんどは現物の受け渡しなしに差金決済で終了します。
相場表の一番左の列(縦)が限月です。「いま」に一番近い限月を「期近(きぢか)」、逆に一番遠い将来の限月を「期先(きさき)」と呼びます。また期近を「1番限(いちばんぎり)」、その次の限月を「2番限」というように「番限」を使った呼び方もあります。

ゴム相場表サンプル

取引時間

OSEのゴム先物の取引時間は次の通りです。
日中立会 : 午前 9時00分 〜 午後 3時15分
夜間立会 : 午後 4時30分 〜 午後 7時00分
ゴム以外の商品とは取引時間帯が異なりますので注意してください。