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    【来週の注目材料】米物価の上昇がさらに強まり、長期金利へも影響?~米消費者物価指数  米長期債利回り(名目長期金利)動向への警戒感が続いています。一時の過熱気味な上昇傾向は落ち着いてきましたが、中期的な金利上昇期待は続いています。米長期金利の上昇は、ドル高の大きな材料となりますから、今後も市場の注目を集めると思われます。  長期債の利回りは、フィッシャー方程式によると、実質金利と期待インフレ率から算出されます。正確にはリスクプレミアムがさらに加わりますが、世界で最も流通量が多い米国債は基本的に安全資産とされますので、リスクプレミアムは考慮しなくても大丈夫です。  長期債利回り(名目長期金利) = 実質長期金利 + 期待インフレ率  :フィッシャー方程式    実質金利の算出は難しいですが、一般的にはその期間の実質経済成長率に等しいと見られています。米国で新型コロナワクチンの接種が進み、1.9兆ドル規模の追加経済対策の決定、3兆ドル規模のインフラ整備や教育拡充に充てた追加経済対策の検討などによって、今後の米経済成長見通しが高まっていることで、長期金利の上昇につながったというわけです。  期待インフレ率の算出も難しいですが、家計や企業のアンケート、ブレークイーブンインフレ率(BEI:固定利付債と物価連動債の利回り格差)、過去のインフレ動向などから推定されます。この時に重要な役割を果たすのが、現状の物価動向です。  先月16日、17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で示されたSEP(Summary of Economic. Projections)では、今年年末時点でのインフレ率(PCEデフレータ)が前年比+2.4%と、12月時点でのSEPでの+1.8%から大きく引き上げられ、インフレターゲットである+2.0%を超えるとの見通しが示されました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレータも+2.2%と12月時点の+1.8%から大きく引き上げられ、+2.0%を超えてきています。  こうした物価の上昇が、今後にたいする期待インフレ率を押し上げ、経済成長見通し(こちらもSEPでは12月時点の4.2%から6.5%へ大きく上方修正されています)の拡大共に、長期金利上昇につながったと考えられています。  そうした中、今後も物価動向への注目が続くと見込まれています。米国のインフレターゲットは上でも挙げたPCEデフレータですが、物価統計の中でも比較的発表が遅く、3月分の発表は4月30日が予定されています。そのため、PCEよりも早く、13日に3月分が発表されるCPIの状況が注目されます。  CPIとPCEは計算方法や計測対象の違いから、水準に違いが出ることがありますが、上下の動きは比較的似ているため、PCEの先行指標とされています。  なお、CPIは計測対象のウェイトを毎年1月の購入額を基に算出し、その1年はそのウェイトを使うラスパイレス指数。PCEはラスパイレス指数と計測時点でのウェイトを基に計算するパーシェ指数を幾何平均したフィッシャー指数となっています。そのためCPIの方が一般的には高く出ます(例えばキャベツとレタスを考えた時、直近でキャベツが不作で値段が高騰し、レタスに消費が流れると、家計全体の負担は限定的になります。そうした代替品への移行も計算に含めるのがPCE、高くなったキャベツを以前通りに買う想定なのがCPI)。しかし、直近ではPCEの方が高いケースも見られます。これはPCEではCPIよりもウェイトが高くなっている医療費関連や不動産関連の上昇が目立っているからだと思われます。  今回発表されるCPIですが、予想は前年比+2.5%、食品とエネルギーを除いたコアが+1.6%となっています。前回は前年比+1.7%、コア前年比+1.3%となっていましたので、かなりの上昇です。節目とされる+2.0%もはるかに超えています。  2月から3月にかけて米国のガソリン価格(全米全種の平均値)が1ガロン当たり2.587ドルから2.898ドルまで約12%も上昇していますので、総合の跳ね上がりはある程度仕方のないところでもありますが、コアでも強く出ていることを考えると、今後の期待インフレ率の押上げも期待されるところです。  予想通りもしくはより強く出たときは、長期金利動向などをにらみながら、ドル高基調の再開を意識する展開となりそうです。 MINKABU PRESS 山岡和雅 ...続きを読む

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