<金> NY金12月限は11月6〜8日にかけて軟化したが、1950ドル割れ後に反発し たことで、下げ一巡の様相を強めている。米国の雇用情勢に緩和傾向となり、11月開 催の公開市場委員会(FOMC)では金利が据え置かれ、米利上げ終了の可能性が示さ れたうえ、ハマスとイスラエルの軍事衝突発生を受けて10月7日以降に急伸した。そ の後、急伸の反動から転売が見られたことで押し目形成となった。 1950ドル割れまで修正安が進み、買い過剰感が後退したことで、ここから先の下 げ余地は限られる可能性が高い。ファンダメンタルズからは、米雇用情勢の緩和傾向が 強まり、利上げ観測が後退していることが挙げられる。JOLTSによる求人件数は増 加したが、10月の非農業部門の増加数は前月の29万7000人から約半分となる 15万人にとどまったうえ、失業率は前月の3.8%から3.9%に上昇している。ま た、この月の賃金上昇率もこれまでより鈍化している。人手不足のなか人手を確保する ために賃金が引き上げられ、これが物価高を吸収する、インフレ高進を支えてきた要因 が崩れつつある。 米国のインフレ率は連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%にはまだ遠い。 そのため利上げが終了されてもこれが直ちに利下げに結び付くかどうかは不透明感が強 く、基本的にはインフレ抑制のための高金利政策が継続され、その時々の経済指標を見 ながら調整を図っていくことが見込まれる。パウエルFRB議長は利上げの可能性が残 されていることを改めて示したが、それはこれから発表される経済指標が改めてインフ レ高進を促す可能性を示すものである可能性が残されていることが背景と見られる。 同時に高金利政策の継続は米利払い支出の拡大懸念を強める要因となる。利上げ終了 観測とインフレ抑制政策継続の可能性、米財政悪化という強弱材料が入り混じるなか、 NY金12月限は1950〜2000ドルのレンジでの高下が続くことになりそうだ。 <銀> NY銀12月限は2300セントを高下する足取りのなかで次第に値位置を落として いる。NY金の頭の重さが売りを呼ぶ要因になっているが、銀独自の要因の乏しさから 方向性には欠ける足取りが続いている、NY金の下げ一服感が強まっているため今後の 下げ余地は限られ、引き続きもちあうことになるのではないか。 <白金> NY白金1月限は急落。11月6日に917.60ドルで取引を終えていたが、9日 は一時859.60ドルまで値を落としたうえ、終値ベースで862.80ドルと10 月5日以来の水準まで値を落としている。 米株安や金の軟調な足取りを受けた動きと見られるが、金よりも安全資産としての役 割が薄いことが上値を重くしている。新たな材料に乏しいこともあり、金価格の浮上が ない限り低迷場面が続くと予想される。 <パラジウム> NYパラジウム12月限はそれまでの下値支持線だった1100ドルを大きく割り込 み、9日には993.50ドルまで値を落とした。独自の要因に乏しいなか、白金の軟 調な足取りに追随する売りが見られたことが背景と見られる。 チャート面から買い拾われる可能性はあるが、買いを支える材料に乏しいこともあ り、目先は1000ドル前後での高下になるとみる。 MINIKABU PRESS
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