<金> NY金12月限は11月10日にかけて軟化し、終値ベースで1937.7ドルを付 けたが、その後は反発に転じ16日には一時的に今月6日以来となる1990ドル台を 示現している。 パウエル米国連邦準備理事会(FRB)議長が金融政策に対しタカ派の姿勢を見せた ことが嫌気されて値を落としながらも、10月の米雇用統計が米雇用情勢の緩和を示し たことに加え、同月の米消費者物価指数(CPI)は総合、コア共に事前予想を下回っ ていたことを受け、追加利上げ観測が後退したことが、価格上昇を促す要因となってい る。 これまでの状況からの変化を窺わせているのは雇用統計だけではない。高インフレ環 境下でも旺盛だった個人消費も陰りをうかがわせている。10月小売売上高が7か月ぶ りにマイナスに転じているからだ。さらに、この統計で生活必需品ではない項目の落ち 込みが目立っていることも明らかとなった。 米国の労働市場で、人手不足を解消するために賃金が引き上げられ、賃金の引き上げ 分は価格に上乗せされることで高インフレが発生していた。また、消費は、インフレ高 進の環境下においても賃金が上昇していることで物価高を吸収できていたため旺盛な状 態が続いていたが、今回マイナスに転じたことは賃金上昇を受けて吸収できていた物価 高のこれ以上の吸収が難しくなっている様子を示していると見られる。 10月の輸入物価指数が低下したこともインフレ緩和傾向を示す材料になると見られ る。米インフレ鈍化傾向がますます強まるなか、FRBによる利上げ終了観測が高まる と同時に米経済に対する不安感も強まっており、逃避買いとしての金需要が喚起される おとも期待される。これらの要因が金市場の強気材料となるなか、NY金12月限は再 び2000ドル台達成の可能性が高まったと見られる。 <銀> NY銀12月限は2350セントを上値抵抗線とする足取りが9月下旬以降、続いて いたが、これを突破したことで買い戻す動きが広がり、16日には2416セントに到 達した。 米国経済不安は工業用としての銀需要にとってはネガティブな要因となりかねない が、NY金の堅調な足取りが想定されるだけに、これに追随しての下値の堅い動きが想 定される。 <白金> NY白金1月限は11月10日には840ドル台半ばまで値を落とした。その後は反 発に転じたものの、900ドル台を回復したところで上げ一服となっている。金に比べ ると安全な投資先としての役割が弱いだけに勢いには欠けるところ。チャート面からも 戻りがいっぱいとなった可能性があり、900ドル前後でもちあうことになりそうだ。 <パラジウム> NYパラジウム12月限は13日に950ドル割れを示現した後は、白金の堅調な足 取りに追随して値位置を切り上げたが、1050ドルに達した後は伸び悩んでいる。移 動平均の抑制を受けているうえ、白金が900ドルに達したところで上げつかえている こともあり。もちあいへシフトすると見られる。 MINKABU PRESS
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