CFTC大口投機資金動向(11/21時点):金買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における11月
21日時点の大口投機家の売り越しは270万5154枚となり、前週の278万
5367枚から縮小した。取組高合計は4391万7334枚となり、前週から25万
4829枚(0.58%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.9%増、債券
合計が1.0%増、為替合計が0.8%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
0.3%増、エネルギー合計は1.0%減、金属合計は1.2%減となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売りが買い戻
しを上回って売り越しを拡大、債券で買い戻しが手じまい売りを上回って売り越しを縮
小した。為替は新規買い、買い戻しが入って売り越し(ドル買い)を縮小した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 前週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でタカ派の見方が示されたが、米
製造業購買担当者景気指数(PMI)の低下を受け、市場では米連邦準備理事会(FR
B)の利上げ停止が見込まれた。今週は10月の米個人消費支出(PCE)デフレータ
などの発表がある。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が10万5454枚売り越し(前週13万
0249枚売り越し)、ユーロは12万9654枚買い越し(同10万8907枚買い
越し)、英ポンドは2万6098枚売り越し(同2万7730枚売り越し)となった。
ユーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。

 商品市場では、原油は石油輸出国機構(OPEC)プラスが閣僚会合を延期したこと
を受けて戻りを売られた。貴金属市場では、金が米連邦準備理事会(FRB)の利上げ
停止見通しを受けて押し目を買われた。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が20万7324枚買い越し(前
週21万5734枚買い越し)に縮小した。手じまい売りが買い戻しを上回った。ニュ
ーヨーク金は17万1705枚買い越し(同15万5376枚買い越し)に拡大、ニュ
ーヨーク・プラチナは7136枚買い越し(同3996枚売り越し)に転じた。金は新
規買い、買い戻しが入り、プラチナは買い戻しが手じまい売りを上回った。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが12万4006枚売り越し(前週10万
9200枚売り越し)に拡大、大豆は7万3806枚買い越し(同8万6677枚買い
越し)に縮小した。コーンは新規売りが新規買いを上回り、大豆は手じまい売り、新規
売りが出た。前週のコーンは、大豆下落やブラジル産の作柄改善観測を受けて売り優勢
となった。
MINKABU PRESS 東海林勇行

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