ゴム週間展望=売り優勢、一段の円高なら期中5月限は230円割れも

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [12月11日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)  先限つなぎ足 12月4日〜12月8日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 RSS先限      266.0      266.0(4)    250.0(7)    250.0      - 16.0
  24年5月限      256.7      256.7(4)     234.7(8)    256.7      - 19.2
 TSR20    216.0      216.0(4)     210.0(8)    210.0      - 11.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 143.90円  前週末比 4.11 円高
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【前週までのレビュー】中国景気の回復の遅れやテクニカル面からは支持線を割り込ん
だことで、下値を試しやすいとみた。
【ファンダメンタルズに変化なし、売り優勢】
 JPXゴムRSS3号の活発限月の5月限は、売りが先行している。12月8日に
は、一時234.7円まで下落する場面があった。すぐに238円付近まで戻したが、
戻りは鈍い。11月29日以降、弱地合いが継続し、230円が視野に入っている。
 ファンダメンタルズには、大きな変化はみられない。ただ、ドル・円が急激な円高に
振れている。11月中旬からジリジリと上昇し、151.90円前後までのドル高・円
安となっていたが、7日には141円台後半までの円高に振れる場面があった。今年
は、年初から円安基調となっていただけに、円の売りポジションはまだ溜まっていると
みられる。もう一段の投げが出るようなら、瞬間的に140円割り込む可能性がある。
ゴム相場にとって、弱材料になる。
【上海ゴムは一代の安値を目指すか】
 上海ゴムの中心限月1月限は、売りが優勢となりそうだ。上海ゴムの中心限月5月限
は、11月29日に節目の1万4000元を下抜くと、12月4日には9月8日の高値
1万4640元、10月16日の高値1万4850元、そして11月17日の高値1万
4750元で形成される三尊天井のネックラインにあたる9月28日の安値である1万
3680元を終値ベースで割り込んだ。その後、下げは加速し、12月6日には1万
3115元まで下落した。現状、節目の1万3000元手前でのもみ合いとなっている
が、戻りも鈍く、8月16日に付けた一代の安値1万2735元が視野に入ってきた。

【中国の内需は弱い】
 12月7日に中国税関総署が発表した11月中国貿易収支(ドル建て)をみると、
683億9000万ドルの黒字となった。輸出が前年同月比0.5%増となったが、輸
入は0.6%の減少となっている。昨年のこの時期、中国は厳格なゼロコロナ政策が実
施されていた。このため前年同月の輸入は低調であったが、その時期と比べてもさらに
輸入が減少しており、中国の景気回復の遅さ、内需の弱さを物語っている。世界最大の
天然ゴム消費国である中国の内需が回復しなければ、天然ゴム価格の戻りも鈍いだろ
う。
【JPXゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の5月限は、売り優勢となった。直近1カ月の値動きをみ
ると、11月上旬は260円前後でもみ合いとなったのち、11月中旬から買い意欲が
高まり、17日には一代の高値となる277.2円まで上昇した。だが、同水準で上値
が重くなると、22日には261.9円まで下落した。29日に271.9円まで戻し
たものの、同水準では戻り売りを浴び、12月1日には255.0円まで下落した。そ
の後、下値を模索する展開となり、12月8日には234.7円まで水準を引き下げ
た。
 売りが先行すれば、終値ベースで節目の235.0円を割り込むか注目したい。同水
準を下抜くと、230.0円が意識される。この価格帯は、出来高を伴った取引がされ
ていないことから、値動きが軽く、急落する可能性があるので注意したい。
 一方、買いが先行すれば、250円台回復に注目したい。12月5日は250円の手
前で切り返されており、250円台にしっかりと乗せれば、買いに勢いが付き、節目の
255.0円や260.0円を視野に入れた展開となろう。
【今週の注目ポイント】
 ドル・円相場に注目したい。これまでの円安基調が一気に巻き返されており、141
円台まで円高が進む場面があった。ドル・円が一段と下落し、140円割れとなれば、
ゴム相場にとっても弱材料となる。
【相場予想レンジ】
 12月11日〜15日のゴムRSS3号5月限の中心レンジ予想は225〜260
円。テクニカルの支持線は230.00円(節目)、抵抗線は250.0円(節目)。
 <当面の予定(イベント・経済統計)>
 11日 英住宅価格指数 2023年12月(ライトムーブ)
 12日 企業物価指数 2023年11月(日本銀行)
     英雇用統計 2023年11月(国立統計局)
     独景況感指数 2023年12月(ZEW)
     米消費者物価指数 2023年11月(労働省)
     米財政収支 2023年11月(財務省)
     米連邦公開市場委員会(FRB、13日まで)
 13日 短観 概要及び要旨 12月調査(日本銀行)
     英貿易収支 2023年10月(国立統計局)
     英鉱工業生産指数 2023年10月(国立統計局)
     ユーロ圏鉱工業生産 2023年10月(EUROSTAT)
     米生産者物価指数 2023年11月(労働省)
     米FOMC声明文公表(FRB)
 14日 機械受注 2023年10月(内閣府)
     金融政策理事会(ECB)
     政策金利公表(BOE)
     米小売売上高 2023年11月(商務省)
     米新規失業保険申請件数(労働省)
     米輸出入物価指数 2023年11月(労働省)
     米企業在庫 2023年10月(商務省)
 15日 中国住宅価格指数 2023年11月(国家統計局)
     中国小売売上高 2023年11月(国家統計局)
     中国鉱工業生産 2023年11月(国家統計局)
     上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
     ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2023年12月速報(Markit)
     ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2023年12月速報(Markit)
     ユーロ圏貿易収支 2023年10月(EUROSTAT)
     米製造業景況指数 2023年12月(ニューヨーク連銀)
     米鉱工業生産・設備稼働率 2023年11月(FRB)
     対米証券投資 2023年10月(財務省)
     建玉明細報告(CFTC)
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