金・銀週間展望=もみ合い、中東の衝突回避で欧米の利下げの行方を確認

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [4月29日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2025 年  2 月限  4 月 22 日〜 4 月 26 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          11,857    11,938 (22)   11,405 (24)     11,735        -102
  銀           141.0     144.9 (23)    132.0 (24)      137.9        -3.1
 プラチナ       4,694     4,697 (22)    4,496 (26)      4,636         -32
 パラジウム     5,100     5,100 (22)    5,000 (25)      5,000        -100
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        25  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 6) 2,342.5     -71.3   | ドル・円    155.98      1.61 円安
  銀       ( 5) 2,735.3    -149.1   | 日経平均  37,934.76       +866.41
 プラチナ   ( 7)   920.5     -23.3   | NY原油 ( 6)  83.57         +1.35
 パラジウム ( 6)   982.00    -44.40  |* ドル・円は15時15分現在、原油は 25日
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【前回のレビュー】
 金は地政学的リスクの高まりが支援要因、とした。
 金はイランが19日の攻撃に対する報復をしない方針を示したことを受けて急落した
が、押し目は買われた。現物相場は5日以来の安値2293.39ドルを付けたのち、
下げ一服となった。金先限は11日以来の安値1万1405円を付けたのち、下げ一服
となった。
 イランは19日の攻撃について、イスラエルとの関連が証明されないとし、報復しな
い方針を示した。その後の各社の報道でイスラエルは大規模な攻撃を策定したが、米国
が自制を求めたため、限定的な攻撃に変更したという。核施設周辺の防空システムを精
密攻撃し、1発目が命中したことで2発目は自爆させた。イランのハメネイ師は軍上級
司令官の会合で、イスラエル報復攻撃を称賛した。ただ19日の攻撃については触れな
かった。イスラエルはイランとの対立が一服したことでイスラム組織ハマスへの攻撃を
再開しつつある。ラファ侵攻を控え、民間人避難のためテントを調達した。またイスラ
エルは、レバノン南部のヒズボラの拠点40カ所を空爆しており、イランの代理組織と
の戦闘も再開した。
 米議会でウクライナ支援が可決された。バイデン米大統領は24日、ウクライナ向け
に610億ドル、イスラエル向けに260億ドル、パレスチナ自治区ガザ向けの人道支
援で10億ドル、中国の軍事力に対抗するための80億ドルを含む法案に署名した。米
大統領は第1弾としてすでにウクライナへの10億ドルの兵器供給を承認しており、兵
器輸送が開始された。一方、ロシアのプーチン大統領は、5月に中国を訪問すると明ら
かにした。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、中国が西側
諸国との良好な関係を維持したいのであれば、ロシアのウクライナ侵攻への軍事支援を
やめなければならないと述べた。
 第1四半期の米国内総生産(GDP)速報値は前期比1.6%増と前四半期の3.4
%増から大幅に鈍化し、ほぼ2ぶりの低水準となった。コア個人消費支出(PCE)指
数は3.7%上昇し、前四半期の2.0%上昇から伸びが加速した。米シカゴ連銀のグ
ールズビー総裁は、想定を上回るインフレデータが続いたことを受けて、金融当局は政
策を「再調整」する必要があるとの認識を示した。3月の米PCEデフレータでインフ
レに対する見方を確認したい。CMEのフェドウォッチでは、米連邦準備理事会(FR
B)の9月の利下げ開始の確率は44.3%(前週45.1%)となり、年1回の利下
げの見方が強い。一方、欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始は6月とみられている。
【金ETF残高は増加】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は25日時点で
1024.73トンとなり、前週末比2.35トン増加した。米国で2.87トン増
加、英GBSで0.10トン、英ETFSで0.42トン減少した。イスラエルとイラ
ンの衝突回避を受けて急落したのち、安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引
委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、4月16日時点のニューヨーク金の大口
投機家の買い越しは20万1923枚となり、前週の20万2419枚から縮小した。
今回は手じまい売りが1022枚、買い戻しが526枚入って496枚買い越し幅を縮
小した。
 国内金は円相場の行方も焦点である。円相場は対ドルで1ドル=155円台後半と
34年ぶりの安値を更新、対ユーロでは16年ぶりの安値を付けた。日米韓は17日に
開催された初の財務相会合で、外国為替市場の動向について「緊密に協議する」ことで
合意した。共同声明で「最近の急速な円安およびウォン安に関する日韓の深刻な懸念」
への認識を示しており、介入警戒感が高まっている。イエレン米財務長官は25日、ド
ル高は米経済の力強さと高金利を反映しているとし、各国政府による為替市場への介入
はまれな状況でのみ容認されると述べた。日銀金融政策決定会合では金利据え置きが決
定された。展望リポートで消費者物価指数の見通しが上方修正されたが、金融政策運営
について、「当面、緩和的な金融政策を継続すると考えている」とされた。円相場は
156円台前半まで円安に振れた。
【銀は金急落につれ安】
 銀の現物相場は金急落につれ安となり、5日以来の安値26.66ドルを付けた。イ
スラエルとイランの衝突回避で金に利食い売りが出たことが圧迫要因になった。米連邦
準備理事会(FRB)の利下げ先送りの見方も下げ要因である。ただ欧州中央銀行(E
CB)が6月に利下げを開始することが見込まれており、景気回復期待から需要が増加
するようなら下支えになるとみられる。
 25日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比417.98ト
ン増の1万3368.73トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の
建玉明細報告によると、4月16日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは
5万3359枚となり、前週の5万3212枚から小幅拡大した。買い戻しが手じまい
売りを上回った。
当面の予定(イベント・経済統計)
29日 ●昭和の日
    独消費者物価指数 2024年4月速報(連邦統計庁)
30日 労働力調査(失業率) 2024年3月(総務省)
    鉱工業生産指数 2024年3月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2024年3月速報(経済産業省)
    中国製造業購買担当者景況指数 2024年4月(中国物流購買連合会)
    中国非製造業購買担当者景況指数 2024年4月(中国物流購買連合会)
    中国製造業購買担当者景況指数 2024年4月(財新)
    ユーロ圏国内総生産 2024年1-3月期速報(EUROSTAT)
    ユーロ圏消費者物価指数 2024年4月速報(EUROSTAT)
    米雇用コスト指数 2024年1-3月期(労働省)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2024年2月(S&P)
    シカゴ購買部協会景気指数 2024年4月(シカゴ購買部協会)
    米消費者信頼感指数 2024年4月(カンファレンスボード)
    米連邦公開市場委員会(FRB、1日まで)
 1日 ●中国、香港、独仏南ア(メーデー)
    全米雇用報告 2024年4月(ADP)
    米製造業景況指数 2024年4月(ISM)
    米FOMC声明文公表(FRB)
 2日 ●中国(労働節)
    金融政策決定会合議事要旨公表 3月18-19日分(日本銀行)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年4月確報(Markit)
    米貿易収支 2024年3月(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米耐久財受注 2024年3月確報値(商務省)
    米製造業新規受注 2024年3月(商務省)
 3日 ●憲法記念日、中国(労働節)
    ユーロ圏雇用統計 2024年3月(EUROSTAT)
    米雇用統計 2024年4月(労働省)
    米非製造業景況指数 2024年4月(ISM)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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