石油週間見通し=80ドル台へ戻り基調が続くか否か、ガザ停戦協議は決裂

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油は一転して底値を探る局面。6月限は昨年12月
13日の安値69.06ドルから4月12日の高値86.97ドルまでの上げ幅の
38.2%押し(80.13ドル)を大きく割り込んでいることで、次の下値メドは半
値押しの78.02ドル、61.8%押しの75.90ドルとなる。日柄的には8日が
新月のため、その辺りで底入れすると見ておきたいとした。

【NY原油は8日に押し目底を付けた可能性も】
 ニューヨーク原油6月限は新月だった8日に76.89ドルの安値を付けた後に反発
している。このまま上昇すれば、新月が押し目底だったということになるが、水準的に
は半値押しと61.8%押しの中間地点のため、まだ押し目底を付けたとの判断はしに
くい。ともあれ目先は80ドルを超えて一段高となるような戻り基調が続くのか否かが
注目されそうだ。

 材料的には、引き続きガザを巡るイスラエルとハマスが停戦協議が注目されている。
ハマス側が介入国側の停戦案を受け入れるとの報道もあったが、イスラエルがガザ南部
のラファへの地上侵攻する姿勢を崩していないことで、停戦実現はかなり困難な状況と
なっている。ハマス代表団は協議場所のエジプトを出た模様で、協議は決裂したと言え
そうだ。

 地政学的リスク以外では、6月末までの予定で実施中の石油輸出国機構(OPEC)
プラスの日量220万バレルの自主減産がそれ以降も実施されるかどうかが、これから
6月初めのOPECプラス会合までの注目材料となりそうだ。
 2日のロイター通信が、今年末まで減産が延長される可能性があるという関係者の見
通しを示し、7日の米大手金融機関、ゴールドマンサックスのリポートでも、6月の同
会合で減産方針を転換する可能性が低いとされるなど、今年下半期も減産が維持される
との見方がある一方、4月の国際通貨基金(IMF)のリポートでは7月からの増産
(つまり現状の減産方針の転換)の可能性が指摘されている。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は再び上昇基調となり、3万9000
ドル台を回復して、過去最高値となる4万ドル水準を目指す展開となってきた。
 ドルインデックスに関しては、106ポイント台からは反落しているが、依然として
で高値圏のもみ合いが続いている。

【米国、SPRの補充用に原油330万バレルを買い付け】
 米国に目を移すと、米エネルギー省(DOE)が7日、米戦略石油備蓄(SPR)の
補充用に330万バレルの原油を10月に実施予定で市場から買い付けることを表明し
た。原油価格がこれまでDOEが買い付けの基準としてきた79ドル以下になったこと
による措置とみられる。
 なお米SPRは2022年に1億8000万バレルと大量に放出したことで、現在約
3億6700万バレルと40年ぶりの低水準となっている。

【4月の中国の原油輸入、前年同月比5.45%増】
 9日に世界最大の原油輸入国である中国の税関総署が発表した貿易統計によると、4
月の同国の原油輸入は4472万トン(日量1088万バレル)と、前年同月比
5.45%増となった。ただ前月比では5.8%減。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である10月限は7日の7万5000円の安値を押し目底に反発基
調。10日はボリンジャーバンドの−1シグマ(7万7390円辺り)も上回って引け
た。
 ガソリン先限は名目値で8万3000円の横ばいが続いている。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油6月限は下降中のボリンジャーバンドの−2シグマ(77.08ド
ル辺り)に沿った安値更新となっていたが、8日の下ひげ陽線の反発で底入れした可能
性。9日は−1シグマ(79.42ドル辺り)を試した。

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