金・銀週間展望=もみ合い、米FRBの利下げ時期を見極め

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [6月3日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2025 年  4 月限  5 月 27 日〜 5 月 31 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          11,844    11,979 (29)   11,747 (30)     11,851         +12
  銀           152.0     164.2 (29)    152.0 (27)      158.3        +5.3
 プラチナ       5,143     5,378 (29)    5,116 (27)      5,187         +26
 パラジウム     5,000     5,000 (27)    4,800 (31)      4,800        -300
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        31  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 8) 2,345.8     -11.1   | ドル・円    156.92      0.09 円高
  銀       ( 7) 3,044.0      -5.9   | 日経平均  38,487.90       -158.21
 プラチナ   ( 7) 1,042.0      +3.4   | NY原油 ( 7)  76.99         -0.73
 パラジウム ( 9)   912.90    -65.00  |* ドル・円は15時15分現在、原油は 31日
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【前回のレビュー】
 金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退が上値を抑える要因、とした。
 金は週明けのドル安を受けて安値拾いの買いが入ったが、米金融当局者が追加利上げ
の可能性を示すと、米国債の利回り上昇に上値を抑えられた。ただ第1四半期の米国内
総生産(GDP)の下方改定を受けて押し目を買われた。現物相場は2363.27ド
ルで戻りが一服した。金先限は5月14日以来の安値1万1747円を付けた。
 米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後退したが、年1回の利下げが見込まれ
ており、週明けのドル安を受けて金に安値拾いの買いが入った。ただ5月の米消費者信
頼感指数は102.0と前月の97.5(97.0から上方改定)から上昇した。事前
予想の95.9に反して4カ月ぶりに上昇に転じた。12月先のインフレ期待も5.4
%と前月の5.3%から上昇した。また米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、米金
融当局の政策スタンスは景気抑制的だが、追加利上げの可能性を完全に排除したわけで
はないとの考えを示した。低調な入札も米国債の利回りを上昇させる要因となり、米
10年債利回りは5月2日以来の高水準となる4.64%まで上昇した。米地区連銀経
済報告(ベージュブック)では、経済活動は4月初旬から5月中旬にかけて拡大を続け
たとの認識を示した。ただ業界や地域によって状況はまちまちになっているとの見方を
示した。一方、第1四半期の国内総生産(GDP)改定値は前期比1.3%増と速報値
の1.6%増から下方改定された。下方改定は小売売上高と設備投資の軟化を反映。米
経済成長率は第4四半期の3.4%から大きく減速した。米国債の利回り上昇が一服
し、金の下支え要因になった。CMEのフェドウォッチでは、米FRBの利下げは11
月以降に開始され、年1回になることを織り込んでいる。当面は4月の米個人消費支出
(PCE)デフレータ、5月の米ISM製造業景気指数、米雇用統計の発表がある。
 6日の欧州中央銀行(ECB)理事会では利下げが見込まれている。ECB理事会メ
ンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は独紙ベルゼン・ツァイトゥングに対し、「サプ
ライズがない限り、6月の最初の利下げは確定しているが、その後はある程度の自由度
がある」と指摘した。「7月にすでにコミットすべきとは言わないが、タイミングとペ
ースについては自由度を維持しておきたい」と述べた。当面は5月のユーロ圏の消費者
物価指数(HICP)速報値の発表がある。5月の独CPI速報値は前年比2.8%上
昇と前月の2.4%上昇や事前予想の2.7%上昇を上回っており、インフレ高止まり
に対する懸念が示される可能性がある。
【金ETF残高は小幅減少】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は30日時点で
1020.01トンとなり、前週末比0.03トン減少した。英GBSで0.04ト
ン、オーストラリアで0.04トン減少、英ETFSで0.05トン増加した。強弱材
料が交錯するなか、まちまちの動きとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFT
C)の建玉明細報告によると、5月21日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越
しは22万9806枚となり、前週の20万4496枚から拡大した。今回は新規買い
が2万3087枚、買い戻しが2223枚入って2万5310枚買い越し幅を拡大し
た。
 イスラエル軍が実施したパレスチナ自治区ガザ最南部ラファの北西部への空爆によ
り、避難民が密集している地区で火災が発生し、少なくとも45人が死亡した。イスラ
エルはラファにあるイスラム組織ハマスの拠点を攻撃したと表明した。ネタニヤフ首相
は、ラファへの空爆に民間人の犠牲者を出す意図はなかったとし、調査を行うとした。
ハガリ報道官は、攻撃の標的となった施設の近くに保管されていた弾薬に引火した可能
性があると述べた。ツァヒ・ハネグビ国家安全保障顧問は、ガザでの戦闘は少なくとも
年内は続くとの見通しを示し、ハマスが要求している戦争終結に合意する用意がイスラ
エル側にはないことを示唆した。一方、エジプト軍報道官は27日、ガザとの境界にあ
るラファ検問所付近で銃撃があり、エジプトの治安部隊員1人が死亡したと発表した。
イスラエル軍は29日、ガザとエジプトの境界沿いの「フィラデルフィア回廊」と呼ば
れる戦略上の重要地帯を掌握したと発表した。ハマスの密輸に使われたトンネル約20
本を一帯で発見したという。
【銀は踏み上げの動きも上げ一服】
 銀の現物相場は金に安値拾いの買いが入るなか、踏み上げの動きとなって5月20日
以来の高値32.27ドルを付けた。ただ戻り高値を突破できず、利食い売りが出て上
げ一服となった。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で中国の過剰生産能力
に対する懸念が示されたことに対し、中国政府はG7が主張する過剰生産能力の脅威は
誇張されていると反論した。米国がこれまで関税引き上げを発表しており、今後の中国
経済の行方も確認したい。
 30日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比146.36ト
ン減の1万2869.86トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の
建玉明細報告によると、5月21日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは
5万9644枚となり、前週の5万9461枚から拡大した。新規買いが新規売りを上
回った。
当面の予定(イベント・経済統計)
3日 ●ニュージーランド(女王誕生日)
   中国製造業購買担当者景況指数 2024年5月(財新)
   ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年5月確報(Markit)
   米製造業景況指数 2024年5月(ISM)
4日 独雇用統計 2024年5月(連邦雇用庁)
   米耐久財受注 2024年4月確報値(商務省)
   米製造業新規受注 2024年4月(商務省)
5日 中国サービス業購買担当者景況指数 2024年5月(財新)
   ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年5月確報(Markit)
   ユーロ圏生産者物価指数 2024年4月(EUROSTAT)
   全米雇用報告 2024年5月(ADP)
   米非製造業景況指数 2024年5月(ISM)
   政策金利発表(カナダ銀行)
6日 独製造業受注 2024年4月(経済技術省)
   ユーロ圏小売売上高 2024年4月(EUROSTAT)
   理事会結果公表(ECB)
   米貿易収支 2024年4月(商務省)
   米新規失業保険申請件数(労働省)
7日 全世帯家計調査・消費支出 2024年4月(総務省)
   中国貿易収支 2024年5月(税関総署)
   独貿易収支 2024年4月(連邦統計庁)
   独鉱工業生産指数 2024年4月(経済技術省)
   ユーロ圏域内総生産 2024年1-3月期確報(EUROSTAT)
   米雇用統計 2024年5月(労働省)
   米卸売在庫 2024年4月確報値(商務省)
   建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

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