【NY金は米雇用統計次第では上方に弾み】 NY金12月限は7月25日にかけて2400ドルを割り込む水準まで値を落として いたが、その後、反発に転じ7月31日に上げ足を伸ばして2496.6ドルに到達。 終値ベースでも2490ドル台を維持しており、7月19日から25日にかけて記録し た下げ幅を一気に相殺している。 7月30日から31日にかけて開催された公開市場委員会(FOMC)では金利は据 え置かれたものの、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が9月利下げ着手の可能性 があることを明言したことが買いを呼ぶ要因となった。 9月利下げ着手の可能性については6月雇用統計の雇用緩和を示す内容や、6月米個 人消費支出(PCE)物価指数の前年同月比が+2.5%の上昇率に低下し、FRBが 目標とする2%のインフレ率達成に向かう見通しが強まったことが背景になったと見ら れる。 米民間雇用サービス会社ADPの発表による7月全米雇用報告は、非農業部門の雇用 者数の増加幅は事前予想の16万8000人増に対し12万2000人増にとどまるな ど、雇用情勢も緩和傾向が続いている可能性が示されている。 6月の失業率は4.1%台に上昇していたことで米雇用情勢は緩和傾向にあるとの見 方が強まっていたが、その動きが一時的なものにとどまるものではなく継続的であるこ とが示されたことがFRBの利下げ着手に向けて後押しする要因になると見られる。 今後は今週末に発表される米労働省発表の7月雇用統計、8月末に行われるジャクソ ンホール会合を経て9月FOMCを迎えることになる。7月の雇用統計では非農業部門 の労働者数の増加幅のみならず失業率、そして賃金上昇率も注目される要因だが、これ らが米雇用情勢の緩和を示す内容だった場合、9月利下げ着手観測に米景気不安が加わ る可能性がある。そうなれば上方へ弾みがつく展開が想定されてくることになる。9月 及びそれ以降のFOMCにおける方向性を探るためにも8月2日に発表される雇用統計 が注目される。 一方の中国の需要もNY金12月限が最高値更新に向かう段階では人気も後退した が、2400ドル前後まで軟化すると商いが活発化しており、潜在的な需要の高さを窺 わせている。 中国景気については中国当局による政策に期待が高まっているが、6月の製造業PM Iは新規受注の弱さを受けて2か月連続で景況感の分かれ目となる50を割り込んでい る。また、6月消費者物価指数の前年比も+0.2%で過去3か月で最も低い伸びにと どまったうえ、事前予想も下回っており、景気不安を抱えた状態にある。 NY金12月限は8月2日の米雇用統計の内容次第では利下げ着手は確実との見方が 広がるなか7月17日に付けた高値2537.7ドルを目指す足取りが想定される。そ の一方で雇用統計が米雇用情勢の持ち直しを示すものであれば転売が入る可能性があ る。ただ、それでも今後の利下げ着手の可能性や中国の景気不安やこれを受けた同国の 底堅い金需要が金価格を支える要因になってきそうだ。 MINKABU PRESS
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