石油週間見通し=上値を抜けるか否か、米中の経済統計やリビア減産にも注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油10月限は21日に71.46ドルまで下落し、
8月上旬の上げ幅の大半を失った後73ドル台まで戻している。5日の安値70.88
ドルまで崩れると全値押しとなるが、日柄的には9月3日が新月となり、その辺りまで
下値模索が続くと考えれば、全値押し以上の下げとなる可能性もあるとした。

【NY原油は上値目標を抜けるか否か】
 ニューヨーク原油10月限は結果的に底割れすることなく戻したが、直近の戻り高値
は26日の77.60ドルまでで、13日の78.54ドルには届かずに反落。その後
は28日に73.82ドルまで急落後、29日には76.91ドルまで急伸するなど乱
高下が続いている。本稿執筆時の30日午後時点では76ドル台前半で推移。
 チャート的には、5日の安値70.88ドル、21日の安値71.46ドルをダブル
ボトムとした戻り相場における中段もみ合いの様相のため、今後は上値目標の26日の
77.60ドル、13日の78.54ドルを上抜くことができるか否かが注目される。

 材料的には、ここ数週間の注目材料であるイランの対イスラエル報復攻撃、またガザ
を巡るイスラエルとハマスの停戦交渉に大きな進展が見られないなか、米国の景気動向
に対する思惑に一喜一憂する展開となっている。直近は今年4−6月期の米国内総生産
(GDP)改定値が前期比年率+3.0%まで引き上げたことを好感した。
 差し当たり米レーバーデーの3連休前には、30日の7月の米PCEデフレータ、さ
らに来週には5日にADP米雇用統計、6日には米雇用統計が発表されるので注目した
い。
 また今月末から中国の各種景況指数(PMI)の発表もあるので、それらが材料視さ
れる可能性もある。
 産油国側のニュースとしては、リビアの減産報道にも注目したい。中央銀行総裁人事
や石油収入を巡る政治対立で油田の操業停止しているとのことだが、ロイター通信の試
算では29日には日量70万バレル減少したという。また同国の国営石油公社(NO
C)によると、油田の操業停止に伴う過去3日間の減産が合計150万4733バレル
に達している。。
 調査会社、ラピダン・エナジー・グループは、減産が日量90万〜100万バレルに
達し、数週間続くと推定しており、その通りになれば目先の支援材料となりそうだ。
 さらに21日に紅海でイエメンの武装組織フーシ派に攻撃を受け拿捕されていたギリ
シャ船籍の石油タンカー(100万バレルの原油搭載)が30日の執筆時に爆破される
映像が公開されている。ただそれに対する原油相場の反応はこの時点では大きくない。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は4万1000ドル台に乗せて再び過
去最高値を更新する展開。
 ドルインデックスは底割れしていたが、100ポイント台半ばから直近は101ポイ
ント台前半まで戻している。

【イラク、9月以降産油量を日量385万〜390万バレルに削減へ】
 ロイター通信によると、イラクは9月以降、原油生産量を日量385万〜390万バ
レルへ削減する見込み。石油輸出国機構(OPEC)プラスの協調減産による同国の生
産枠は同400万バレルだが、7月の同国の原油生産量は同425万バレルと、ずっと
超過状態が続いていた。その超過分を相殺する形で、来年9月までその減産を続ける計
画。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油の6番限である1月限は21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの中
心線(6万8030円辺り)を上値抵抗、−1シグマ(6万6040円辺り)を下値支
持とした値動きが続いている。
 ガソリン先限は名目値で8万1000円の横ばいで推移。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油10月限は横ばいになってきたボリンジャーバンドの中心線
(74.81ドル辺り)と1シグマ(76.60ドル辺り)を跨いだもみ合いとなって
いる。


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