【強気な米雇用が米CPIサービス部門を下支えなら金はさらに軟化の可能性】 9日のNY金12月限は続落。9月26日に指標限月としての最高値2708.7ド ルを付けた後に地合いが緩みながらも2650ドルが支持線になっていたが、10月8 日に9月20日以来の安値となる2623.4ドルまで軟化。9日は続落し、前日の安 値2622.8ドルを下抜いたうえ、終値で2626ドルとなり、高値のもちあい圏を 下に抜けた形となった。 NY金の軟化は前週末に発表された米雇用統計がきっかけとなっている。2日に発表 されたADP雇用統計で9月の民間雇用者数が事前予想を上回ったことに続き、米労働 省が発表した9月非農業部門雇用者数は事前予想の15万人増を大幅に上回る25.4 万人増を記録。 失業率は前月の4.2%から4.1%に低下するなど、米雇用情勢の強さを示す内容 となった。米雇用情勢の鈍化懸念が払しょくされると同時に、米連邦準備理事会(FR B)による大幅利下げ観測が後退。CMEのFedwatchでも12月の公開市場委 員会(FOMC)におけるフェデラルファンド(FF)レートを4.25〜4.50% を予想比率が82%と多数を占めている。これは0.25%の利下げが2回行われると 見込んでいる可能性が高いことを示している。 9月FOMC時点では大幅利下げを見 込む声が圧倒的だったが、それが後退した結果、史上最高値圏からの軟化をNY金は強 いられる状況となっている。 米総合消費者物価指数(CPI)が3%を割り込むなか、FRBは物価の安定と雇用 の最大化という2大責務のうち軸足を雇用の最大化に移したと見られるが、ここにきて これまでの雇用悪化懸念を払しょくする強気な雇用統計が発表されたことで、10日に 発表されるCPIに対する注目度が再び高まっている。 CPIでのサービス部門はその構成比率のほとんどが賃金で占められるため、雇用情 勢が強気な状態が続いているのであればサービス部門が下げ渋ると同時にCPIを底支 えする要因になり得るからだ。 米労働省発表の雇用統計では9月の賃金の前月比は事前予想を上回る+0.4%とな っており、賃金が上昇傾向を維持している様子が示されている。この賃金の上昇がサー ビス部門のインフレ率を下支えし、これがCPI全体にも影響を及ぼしている様子が確 認出来るようであれば、FRBの利下げ見通しにも影響を与えると同時に金市場におい ては弱材料になってくるのではないだろうか。 MINKABU PRESS
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