【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における11月 19日時点の大口投機家の売り越しは412万2032枚となり、前週の362万 4981枚から拡大した。取組高合計は4730万9491枚となり、前週から98万 3233枚(2.1%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.7%増、債券 合計が3.4%増、為替合計が2.4%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 0.7%増、エネルギー合計は2.2%減、金属合計は4.7%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で買い戻しが手じまい売 りを上回って買い越しを拡大、債券で手じまい売り、新規売りが出て売り越しを拡大し た。為替は手じまい売り、新規売りが出て売り越し(ドル買い)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、バイデン米政権がウクライナに長距離兵器でロシアを攻撃することを許可 し、地政学的リスクが高まった。ウクライナは米国製や英国製の長距離兵器でロシアを 攻撃し、ロシアは新型の中距離弾道ミサイル(IRBM)で反撃した。 ロシアのプー チン大統領は試験を継続すると表明しており、今後の行方を確認したい。北大西洋条約 機構(NATO)は26日にブリュッセルで緊急会合を開き、対応を協議する。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が4万6868枚売り越し(前週6万4902 枚売り越し)、ユーロは4万2557枚売り越し(同7437枚売り越し)、英ポンド は4万0315枚買い越し(同5万6050枚買い越し)となった。ユーロは手じまい 売り、新規売りが出て売り越しを拡大した。 商品市場では、原油がウクライナ情勢に対する懸念を受けて買い優勢となった。金も ウクライナ情勢に対する懸念を受けて堅調となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が19万3865枚買い越し(前 週18万6906枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニュ ーヨーク金は23万4367枚買い越し(同23万6451枚買い越し)に縮小、ニュ ーヨーク・プラチナは2万2676枚買い越し(同2万0233枚買い越し)に拡大し た。金は手じまい売りが買い戻しを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが16万3301枚買い越し(前週17万 7646枚買い越し)に縮小、大豆は8万6331枚売り越し(同7万7113枚売り 越し)に拡大した。コーンは手じまい売りが買い戻しを上回り、大豆は新規売りが新規 買いを上回った。前週のコーンは、ウクライナ情勢に対する懸念が支援要因になった が、小麦安に上値を抑えられた。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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