金・銀週間展望=もみ合い、米PCE価格指数の伸び鈍化などが下支え

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [1月6日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2025 年 12 月限  12 月 30 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          13,451    13,454 (30)   13,355 (30)     13,378         -73
  銀           153.5     153.5 (30)    153.5 (30)      153.5         0.0
 プラチナ       4,784     4,794 (30)    4,673 (30)      4,689         -84
 パラジウム     4,600     4,600 (30)    4,600 (30)      4,600           0
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
         3  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 2) 2,654.7     +22.8   | ドル・円    157.95      0.25 円安
  銀       ( 3) 3,006.5      +9.7   | 日経平均  39,894.54      -386.62
 プラチナ   ( 4)   948.3     +12.9   | NY原油 ( 2)  73.96        +3.36
 パラジウム ( 3)   922.50    +10.90  |* ドル・円は15時45分現在、原油は  3日
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【前回のレビュー】
 金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げペース鈍化見通しが圧迫要因、とした。
 金は米個人消費支出(PCE)価格指数の伸び鈍化を受けて下げ一服となったが、米
国債の利回り上昇に上値を抑えられた。ただ米国債の利回り上昇が一服すると、押し目
を買われた。現物相場は18日以来の高値2638.90ドルを付けた。金先限は円安
も支援要因となり、11月25日以来の高値1万3496円を付けた。
 米連邦準備理事会(FRB)の利下げペース鈍化見通しを受けて急落したが、米個人
消費支出(PCE)価格指数の伸び鈍化などを受けて下げ一服となった。11月の米P
CE価格指数は前月比0.1%上昇と前月の0.2%から伸びが鈍化した。ただ前年比
2.4%上昇し、前月の2.3%から伸びが加速した。市場予想は2.5%上昇。米サ
ンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、米FRBの0.25%利下げ決定は「きわ
どい判断」だったとし、一段の政策調整には慎重さが必要というパウエルFRB議長の
意見に同意すると述べた。米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の21万
9000件となった。1カ月ぶりの低水準となり、冷え込みつつあるものの依然として
堅調な労働市場と整合した。市場予想は22万4000件。ただ継続受給件数は同4万
6000件増の191万件と、2021年11月以来の高水準となった。市場予想は
188万件。失業者の就職難が示された。米10年債利回りは5月2日以来の高値
4.64%を付けたが、利回り上昇は一服した。一方、バイデン米大統領は21日未
明、3月14日までのつなぎ予算案に署名した。年末の政府機関閉鎖を回避するととも
に、今後の歳出に関する判断をトランプ次期米政権に先送りした。
 12月のユーロ圏の消費者信頼感指数速報値はマイナス14.5と前月のマイナス
13.8から0.7ポイント低下した。市場予想はマイナス14.0。独IFO経済研
究所は、12月の小売業の業況指数が小幅低下したと明らかにした。12月は通常消費
支出が活発になるが、小売業者は現状を11月からやや悪化したとみている。欧州中央
銀行(ECB)のチーフエコノミストであるレーン専務理事は、インフレ率が2%の時
には経済を抑制するような引き締め的な金利水準を維持する必要はないとの見解を示し
た。
【金ETF残高は減少】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は26日時点で
1060.49トンとなり、前週末比4.54トン減少した。米国で4.60トン減
少、オーストラリアで0.06トン増加した。主要中銀の利下げペース鈍化見通しを受
けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告に
よると、12月17日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは26万2041
枚となり、前週の27万5586枚から縮小した。今回は手じまい売りが2万1354
枚、買い戻しが7809枚入り、1万3545枚買い越し幅を縮小した。
 ロシア大統領府の外交政策顧問であるユーリ・ウシャコフ氏は、プーチン大統領とト
ランプ次期米大統領の会談開催を複数の国が申し出ていると明らかにした。同大統領
は、スロバキアが提案するウクライナとの和平交渉に前向きな姿勢を示した。ただロシ
アは25日、ウクライナのエネルギーインフラに対して大規模なミサイル攻撃を実施し
た。ウクライナの送電会社は電力供給を制限せざるを得なくなった。一方、イスラエル
は欧州の在外公館に対し、イエメンの親イラン武装組織フーシ派のテロリスト組織指定
を働きかけるよう指示した。イスラエル軍は26日、フーシ派に関連する複数の標的を
攻撃した。またシリアの暫定政権は26日、警察官14人が前日にシリア北西部タルト
ゥースで殺害されたことを巡り、アサド前政権を支持する勢力による攻撃として、治安
部隊による取り締まりを開始した。
【銀はドル高一服で買い戻される】
 銀の現物相場はドル高一服を受けて買い戻され、18日以来の高値29.86ドルを
付けた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペース鈍化見通しが圧迫要因になった
が、米個人消費支出(PCE)価格指数の伸び鈍化を受けてドル高が一服した。ただ貿
易摩擦に対する懸念が残ることが上値を抑える要因である。
 26日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比65.18トン
減の1万4358.97トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建
玉明細報告によると、12月17日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは
4万0264枚となり、前週の4万1165枚から縮小した。手じまい売りが買い戻し
を上回った。
当面の予定(イベント・経済統計)
 6日 中国サービス業購買担当者景況指数 2024年12月(財新)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年12月確報(Markit)
    独消費者物価指数 2024年12月速報(連邦統計庁)
    米耐久財受注 2024年11月確報値(商務省)
    米製造業新規受注 2024年11月(商務省)
    建玉明細報告(CFTC)
 7日 ユーロ圏消費者物価指数 2024年12月速報(EUROSTAT)
    ユーロ圏雇用統計 2024年11月(EUROSTAT)
    米貿易収支 2024年11月(商務省)
    米非製造業景況指数 2024年12月(ISM)
 8日 独製造業受注 2024年11月(経済技術省)
    ユーロ圏生産者物価指数 2024年11月(EUROSTAT)
    全米雇用報告 2024年12月(ADP)
    FOMC議事録公表 12月17-18日(FRB)
 9日 独貿易収支 2024年11月(連邦統計庁)
    独鉱工業生産指数 2024年11月(経済技術省)
    ユーロ圏小売売上高 2024年11月(EUROSTAT)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
10日 全世帯家計調査・消費支出 2024年11月(総務省)
    米雇用統計 2024年12月(労働省)
    米消費者信頼感指数 2025年1月速報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

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