石油週間展望=底入れか否か、トランプ政権の加墨の原油輸入関税が焦点か

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
          [2月3日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)     1 月 27 日〜 1 月 31 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   87,000    87,000(27)    87,000(27)   87,000        ±0
灯  油  先限   88,000    88,000(27)    88,000(27)   88,000        ±0
原  油 6月限   72,140    72,890(27)    69,080(31)   70,460     -1,680
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                                        1 月 27 日〜 1 月 30 日
<海外原油> 週間4本値 始 値  高  値      安 値     終 値   前週末比
  NY原油  3 月限    74.54    75.15(27)    72.02(30)   72.73      -1.93
ブレント原油  4 月限    77.39    77.96(27)    74.98(30)   75.89      -1.66
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31日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 154.68 前週末比 0.59円の円高
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油はダメ押しの「トランプ砲」もあって下げ幅を拡
大する展開。目先は底入れ待ちとなるが、その水準とタイミングに注目したいとした。

【NY原油は底入れ含み】
 ニューヨーク原油はまだ明確に底入れが確認できたわけではないが、30日の日足が
安値から大きく戻して下ひげを付けたうえ、3月限は昨年9月10日の安値63.65
ドルから今年1月15日の高値79.39ドルまでの上げ幅の半値押し(71.72ド
ル辺り)に近い水準を付けたことで、このまま戻せば、チャート上は目先の押し目底を
付けた可能性が出て来る。30日は29日の新月の1営業日でもある。なお本稿執筆時
点の31日午後現在で73ドル台前半で推移。
 これまでのニューヨーク原油は棒下げという感じではないものの、下げ止まらない様
相となっていた。結果的には、75ドル以上での上値の重さを確認した印象が強まって
いた。
 ただ、直近はトランプ米大統領が実施を表明していたカナダとメキシコに対するそれ
ぞれ25%の輸入関税が2月1日からいよいよ実際に実施される見込みになったため、
米国の原油や石油製品価格の上昇必至の見方から戻り歩調が鮮明になっている。
 30日現在、トランプ米大統領の課税方針に変化はないようだが、原油に関しては、
「価格次第だ」と述べて、ややトーンダウンしており、関税対象から外す可能性も排除
できず、そのような報道があれば、強気筋がハシゴを外されて一転して急落というシナ
リオなり得るので注意したい。
 ちなみに米国はカナダ、メキシコ産ともに原油を輸入しているが、とくにカナダ産は
米国の原油輸入量の日量650万バレルの約62%を占める同400万バレルに及ぶ。
また米国の原油輸入量は同国自身の原油生産量のおよそ半分に当たるため、この追加関
税は米国のエネルギーコストを大きく押し上げるのは明らか。したがって最後に大どん
でん返しもあり得るため、31日のトランプ米大統領の発言にはとくに注意したい。、
 他の産油国側のニュースとしては、来月3日の石油輸出国機構(OPEC)プラスの
共同閣僚監視委員会(JMMC)が注目されそうだが、トランプ米大統領がOPECに
価格の引き下げを要求したが、現在のところOPECブラスの減産幅の減少(つまり増
産)は4月からに変更はないようだ。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は再び4万4000ドル台後半まで上
昇しており、過去最高値を再び伺う水準にある。
 ドルインデックスは1月中旬以降、高値からの反落傾向が続いていたが、ここにきて
下げ渋り模様となり、107ポイント台中盤〜108ポイント辺りのもみ合いとなって
いる。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である6月限は1月中旬の高値から下落トレンドが続いている。
31日にはボリンジャーバンドの−2シクマ(6万8990円辺り)に支えられる形
で、場中に割り込んだ7万円台を引けで回復した。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル】
 ニューヨーク原油3月限は引き続き下落トレンドとなっているが、直近はボリンジャ
ーバンドの−1シクマ(72.52ドル辺り)に支えられる形でそれを上回って引け
た。
 ブレント原油4月限は下落トレンドが続くなか、30日には75ドルの節目を試した
後、安値から大きく戻して、引けはボリンジャーバンドの−1シクマ(75.86ドル
辺り)水準だった。

<当面の予定>
 3日【経済】新車登録台数 2025年1月(自販連)
   【経済】軽自動車新車販売速報 2025年1月(全軽自協)
   【発会】プラッツドバイ原油 2026年4月限(東京商品)
   【休日】中国春節(4日まで)
   【経済】ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年1月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2025年1月速報(EUROSTAT)
   【経済】米建設支出 2024年12月(商務省)
   【経済】米製造業景況指数 2025年1月(ISM)
   【経済】米新車販売台数 2025年1月(Autodata)

 4日【経済】米耐久財受注 2024年12月確報値(商務省)
   【経済】米製造業新規受注 2024年12月(商務省)
   【工業】米週間石油統計(API)

 5日【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】中国サービス業購買担当者景況指数 2025年1月(財新)
   【経済】ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年1月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2025年1月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏生産者物価指数 2024年12月(EUROSTAT)
   【経済】仏鉱工業生産指数 2024年12月(INSEE)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米雇用統計 2025年1月(ADP)
   【経済】米貿易収支 2024年12月(商務省)
   【経済】米非製造業景況指数 2025年1月(ISM)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

 6日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 1月26日-2月1日(財務省)
   【経済】ユーロ圏小売売上高 2024年12月(EUROSTAT)
   【経済】独製造業受注 2024年12月(経済技術省)
   【経済】英政策金利公表(BOE)
   【経済】英金融政策委員会議事録 2月5日分(BOE)
   【経済】英金融政策報告(BOE)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)

 7日【経済】全世帯家計調査・消費支出 2024年12月(総務省)
   【経済】景気動向指数 2024年12月速報(内閣府)
   【経済】独貿易収支 2024年12月(連邦統計庁)
   【経済】独鉱工業生産指数 2024年12月(経済技術省)
   【経済】仏国際収支 2024年12月(フランス銀行)
   【経済】仏貿易収支 2024年12月(INSEE)
   【経済】米雇用統計 2025年1月(労働省)
   【経済】米消費者信頼感指数 2025年2月速報値(ミシガン大)
   【経済】米消費者信用残高 2024年12月(FRB)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
     【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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