【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における2月 25日時点の大口投機家の売り越しは320万2043枚となり、前週の361万 1250枚から縮小した。取組高合計は4721万1658枚となり、前週から9万 0567枚(0.2%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.1%増、債券 合計が0.8%増、為替合計が2.9%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 7.0%減、エネルギー合計は0.7%増、金属合計は3.6%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で買い戻しが手じまい売 りを上回って売り越しを縮小、債券で新規買い、買い戻しが入って売り越しを縮小し た。為替は新規買い、買い戻しが入って売り越し(ドル買い)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米大統領がカナダとメキシコに対する関税を3月4日に発動し、中国に対し ては10%の追加関税を課すと発表した。また欧州連合(EU)からの輸入品に対する 25%の関税賦課を近く発表するとした。各市場でリスク回避の動きが出た。一方、ト ランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の鉱物資源の協議は決裂した。ウク ライナ停戦の行方を引き続き確認したい。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が6万0569枚買い越し(前週5万4615 枚買い越し)、ユーロは5万1420枚売り越し(同6万4425枚売り越し)、英ポ ンドは579枚売り越し(同3168枚売り越し)となった。ユーロは新規買い、買い 戻しが入って売り越しを縮小した。 商品市場では、原油がウクライナの停戦期待や米中の貿易戦争激化に対する懸念を受 けて売り優勢となった。金は米大統領の関税発言によるリスク回避の動きを受けて売り 優勢となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が17万1198枚買い越し(前 週19万7594枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨ ーク金は26万1625枚買い越し(同26万8674枚買い越し)、ニューヨーク・ プラチナは1万6176枚買い越し(同2万3537枚買い越し)に縮小した。金は手 じまい売りが買い戻しを上回り、プラチナは手じまい売り、新規売りが出た。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが44万1161枚買い越し(前週46万 8724枚買い越し)に縮小、大豆は1万0550枚売り越し(同5642枚売り越 し)に拡大した。コーン、大豆ともに手じまい売りが買い戻しを上回った。前週のコー ンは、米国産の作付面積拡大見通しや米関税政策に対する懸念を受けて売り優勢となっ た。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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