【これからの見通し】トランプ関税関連の報道に振幅した1週間、週末はドル売りが再燃するか 今週はトランプ関税関連の報道に市場は敏感に反応した。週明けはトランプ米大統領が対EU50%関税発動を7月9日まで延期した。リスク選好の動きにドル円が上昇。29日には米国際貿易裁判所がトランプ相互関税などの差し止めを命じたことが、貿易戦争終結への期待感を広げ、ドル円は一段高に。しかし、トランプ政権側は控訴裁判所に上訴し、関税差し止め措置を一定期間停止した。また、NEC委員長は代替的な措置があることを示した。関税撤回への期待感が大きく失望し、ドル円は反落している。米減税法案をめぐって、米財政赤字の悪化が懸念される面も加わった。ドル円は142円台から146円台に上昇したあと、143円台まで押し下げられている。 今後も中国やEUとの交渉状況については楽観視できないだろう。そのなかで、インドとの貿易交渉がまとまる可能性が指摘されている。4回目となる赤沢再生相の訪米ではそろそろ合意に向けた兆しが示されるのかどうか。日米首脳会談にこぎつけられるのかどうか。まだ話題は多く出てきそうだ。 今日の東京市場でのドル円レンジは143.44から144.22までと1円幅には満たない動き。週末を控えていることもあり、比較的相場動向は落ち着いてきている。この後の海外市場でも、今週の大幅な振幅に対するポジション調整が中心となりそうだがどうか。 この後の海外市場で発表される経済指標は、KOFスイス先行指数(5月)、トルコ雇用統計(4月)、トルコ実質GDP(2025年 第1四半期)、ユーロ圏マネーサプライM3(4月)、インド実質GDP(2025年 第1四半期)、ドイツ消費者物価指数(速報)(5月)、南ア貿易収支(4月)、ブラジル実質GDP(2025年 第1四半期)、メキシコ雇用統計(4月)、カナダ実質GDP(2025年 第1四半期)、米個人所得・支出(4月)およびPCE価格指数(4月)、米卸売在庫(速報値)(4月)シ、カゴ購買部協会景気指数(PMI)(5月)、ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(5月)などが予定されている。 発言イベント関連では、ミュラー・エストニア中銀総裁の講演、パネッタ伊中銀総裁のイタリア中銀金融安定報告発表、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁の討論会参加などが予定されている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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