ドル高・円高にユーロ安、欧州株高・原油反発などリスク動向落ち着くも=ロンドン為替概況 ロンドン市場では、ドル高・円高にユーロ安の動きが加わっている。ドル高・円高の動きには米関税をめぐる米司法動向の混乱や東京都区部消費者物価の上振れなど、東京時間の材料が影響していたようだ。また、ロンドン時間に入るとユーロ相場が対ポンドなどで軟調に推移する動きが加わっている。パネッタ伊中銀総裁が「追加利下げの余地は縮小したが、マクロ見通しは依然として弱く、貿易摩擦が悪化する可能性もある」と経済の先行きの不安感を示したことや、この後発表されるドイツ消費者物価指数速報値の伸びが鈍化する予想となっていることが影響したようだ。ただ、ドル高の動きには前日のドル売りの反動の面があり、週末・月末を控えたポジション調整が入る面も指摘される。ドル円は144円を挟んだ水準で揉み合い。ユーロドルは1.13台前半、ユーロ円は163円台割れへと軟化している。 ドル円は144円付近での取引。東京朝方の144.22近辺を高値に売られ、東京昼前には143.44近辺まで下落した。その後は一転して下げ渋り。ロンドン序盤には144.20付近まで一時反発し、下に往って来いとなっている。足元ではやや上値重く推移している。米株先物・時間外取引が小反落する一方で、欧州株は堅調に推移している。東京・アジア市場ほどのリスク警戒感はみられていない。 ユーロドルは1.13台前半での取引。東京午前の1.1390近辺を高値に、その後は軟調に推移、ロンドン時間には安値を1.1323近辺まで広げてきている。ユーロ円も軟調。東京朝方の164.03近辺を高値に、足元では163円台割れまで軟化している。対ポンドでもユーロ売りが優勢。パネッタ伊中銀総裁は、追加利下げの余地は縮小としながらも、マクロ見通しは依然として弱く、貿易摩擦が悪化する可能性もある、と慎重な見方を示していた。このあとのドイツ消費者物価指数速報値の伸び鈍化予想もユーロの上値を抑えているもよう。 ポンドドルは1.34台後半での取引。東京午前に1.3511近辺まで買われたあとは、上値重く推移。ロンドン朝方には一時1.3455近辺に安値を広げた。その後は1.34台後半に下げ渋って揉み合っている。ポンド円は下げ一服。東京朝方の194.61近辺を高値に、ロンドン早朝にかけて193.63近辺まで軟化した。しかし、ロンドン勢の本格参加とともに194円台前半まで下げ渋っている。ユーロポンドは0.8403-0.8431のレンジでユーロ安・ポンド高の流れが続いている。 テイラー英中銀委員は、インフレ上昇は一時的な要因によるもの、金融政策の引き下げが必要、と述べているが、ポンド相場は底堅く推移している。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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