ドル円、再び145円台を回復も維持できず 米中協議がまだ続く=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は再び145円台を回復する展開が見られたものの維持できなかった。東京時間には日銀の植田総裁の発言を受けて一旦145円台に乗せたものの、海外時間にかけて、高値を維持できずに伸び悩む展開が見られていた。ただ、下値での押し目買い意欲も出ているようで、144円台半ばの水準を維持する中、再び上値を試した。 米中協議が現在もロンドンで続いており、その結果を待ちたい雰囲気も強い。短期的にはドルの買い戻しから、ドル円も上値追いが期待されているものの、下値警戒感も依然根強い。ストラテジストは、日銀の正常化を背景に、年後半にドル円は140円を下回る可能性があると指摘。足元ではドル買い戻しと伴に円は弱含んでいるが、当面のドル円は140-148円の広いレンジで推移すると見ているようだ。 日米両国が貿易協議で原則合意に達した場合、7月の参議院選挙後には、日銀が正常化目標を見直す上で、より明確な見通しを得られる。また、米経済の減速とFRBの利下げ期待復活も、ドル円の上値を圧迫すると見ているようだ。 ユーロドルはロンドン時間の早朝に1.13ドル台に下落していたが、NY時間にかけて1.14ドル台に戻す展開。ただ、全体的には次の展開待ちで1.14ドル付近での上下動が続いている状況。上値は重くなって来ているものの、21日線の上はしっかりと維持しており、もう一段の上値追いへの期待は温存されている。 先週のECB理事会後の会見でラガルド総裁は、利下げサイクルは完了に差し掛かっているとの見解を示していた。ただ、市場は先週で終了とはまだ見ておらず、年内にもう1回の利下げで終了と見込んでいる。本日も何人かのECB理事の発言が伝わっていたが、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「必要に応じて迅速に金利を調整する用意がある」と述べ、選択肢はオープンにしている。ただ、ECBの利下げ終了接近はユーロの下値をサポートしているようだ。 ポンドドルはロンドン時間に1.34ドル台半ばまで下落し、21日線に接近したものの、NY時間にかけて1.35ドル台に戻した。 本日は英雇用統計が発表され、英中銀の利下げ期待が高まった。5月の英有給従業員月次変化が5年ぶりの減少幅を記録し、賃金上昇率も予想以上の鈍化となった。 短期金融市場では年内に2回の追加利下げの可能性を高めている。リーブス財務相による増税が、企業の人件費負担を高めたことが背景。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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