ドル買い優勢、円高の動きは一巡 中東情勢めぐってボラタイルな相場に ドル円144円台回復=ロンドン為替概況 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。米債利回りが前日比プラス圏に上昇しており、ドル高を誘っている。また、東京朝方には中東情勢の緊迫化を受けて円買いが強まったが、その後は円安方向に戻す動きとなっている。急伸した原油や金相場は上昇一服。欧州株や米株先物・時間外取引は引き続きマイナス圏で推移。ドル円は東京朝方に142円台まで下落したあと、ロンドン市場では144円台乗せへと反発。クロス円も東京朝方の下落を戻してきている。短期筋の買い戻しが進んでいるようだ。来週月曜日には145.00の大規模オプション期限が観測されており、相場が引き寄せられやすいとの指摘があった。米10年債利回りが前日クロースを上回る水準へと上昇、ドル買い圧力となるなかで、ユーロドルは1.15台割れ、ポンドドルは1.35台前半へと下押しされている。各国がイスラエルによるイラン攻撃を非難するなかで、トランプ米大統領はイランに対して「手遅れになる前に」合意するよう強く求めている。事態が収束に向かうことが期待されているが、まだ不透明感は高い。各市場とも不安定かつボラタイルな状況となっている。 ドル円は144円台前半での取引。東京朝方にはイスラエルによるイラン攻撃が報じられ、143.60付近から一時142.80近辺まで円買いが進んだ。しかし、その後は買戻しの流れに転じている。東京午後には143円台半ばを中心に売買が交錯したが、ロンドン時間に入ると米債利回り上昇の動きが加わる、ショートカバーの動きを誘っている。144円台乗せから144.40台へと高値を伸ばしている。 ユーロドルは1.15付近での取引。東京朝方の1.1614近辺を高値に、その後は売りに押されている。ロンドン時間には米債利回り上昇とともに安値を1.15台割れへと広げている。ユーロ円は下に往って来い。東京朝方の中東関連の緊迫化報道を受けて166.40付近から164.95近辺まで急落した。その後は買戻しの動きが続いており、ロンドン時間には166円台を回復する場面があった。対ポンドではこの日は売買が交錯しており、方向性は乏しい。ユーロ圏鉱工業生産は予想を下回る結果となったが、それ自体にはユーロ相場は反応薄だったようだ。 ポンドドルは1.35台前半での取引。東京朝方の1.3632近辺を高値に売られている。ロンドン朝方には1.3520付近まで下押しされた。ロンドン時間にはいったん1.3570付近まで買い戻しが入ったが、足元では再び1.3520台へと軟化している。米債利回りが上昇に転じる動きにドル買い圧力が掛かっている。ポンド円はユーロ円とともに下に往って来い。東京早朝の195.56近辺を高値に、一時193.77近辺まで急落。その後は買戻しの流れに転じており、足元では再び195円台前半へと上昇している。ユーロポンドは0.8495から0.8531までのレンジで売買が交錯しており、方向性は希薄。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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