NY時間の終盤に入ってドル円は144円ちょうど付近での推移を続けている。イスラエルがイランを空爆し、イランもイスラエルにミサイルやドローンを発射していることで、中東情勢が緊迫化している。 本日はリスク回避の円高以上に有事のドル高が優勢となり、ドル円も一時144円台半ばまで買い戻されていた。イスラエルの空爆が初めに伝わった東京時間には円高が強まり、ドル円は142円台に下落する場面も見られていた。 ただ、有事のドル高は続かず、NY時間に入るとドル円は伸び悩む動きを見せ、144円付近に伸び悩む展開。本日はミシガン大消費者信頼感指数が発表になっていたが、予想を大きく上回った一方、1年先のインフレ期待も大幅に低下したことから、ドル円は売りの反応が見られている。 今週は米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が発表になっていたが、ともに予想を下回り、インフレの落ち着きを示していた。しかし、FRBが重視しているインフレ指標であるコアPCE価格指数は、CPIとPPIのデータから、中国への依存度が高い一部の財カテゴリーで関税の転嫁が確認されており、5月分は僅かに上昇する見通しだとの見方がエコノミストから出ている。一方、医療費や国内航空運賃といった一部のサービスカテゴリーはインフレ鈍化が見られており、財の上昇を部分的に相殺するとみられているようだ。 ただし、関税転嫁の証拠が示されたことで、FRBの警戒感は続くと予想され、来週のFOMCで公表される経済見通しでも今後数カ月間のインフレ上振れを織り込み続ける見通しだという。 USD/JPY 144.00 EUR/USD 1.1539 GBP/USD 1.3565 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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