売買交錯、方向性みせず 中東情勢や通商交渉が不透明 ドル円144円台後半=ロンドン為替概況 ロンドン市場は、売買が交錯し方向性を示していない。ドル円は144円台半ばから145円付近、ユーロドルは1.15台半ばから後半、ユーロ円は167円付近から167円台後半での取引が続いている。いずれも前日NY終値を挟んだ推移にとどまっている。イスラエルとイランの紛争はまだ停戦に向けた糸口が見いだせない状況。場合によってはさらなる攻撃激化のリスクが残っている。また、G7をきっかけに期待された通商合意についても現時点では英米合意にとどまっている。トランプ米大統領は日本との交渉を「タフ」だと表現、EUはまだ公平な取引を提示していないと不満を表明している。きょうは日銀決定会合が行われ、政策金利据え置きとともに国債買い入れ減額ペースの緩和が示された。その後の植田日銀総裁会見からは次の方向性に関するヒントは得られていない。あすのNY終盤には米FOMC会合の結果発表を控えている。そのなかでは、ユーロ買いとポンド売りの動きがみられている。木曜日の英中銀会合では政策金利据え置きがコンセンサスとなっているが、市場では一連の弱い英経済指標を受けて、年内2回程度の追加利下げが観測されている。一方、本日発表された独ZEW景況感指数は予想以上の回復となった。独ZEWによると米関税よりも独政府の財政政策やECB利下げ効果が勝っており、ドイツ経済停滞を終わらせる可能性も指摘された。 ドル円は144円台後半での取引。全般に方向性に欠ける取引が続いている。東京午前の145.11近辺を高値に午後の144.41近辺を安値とするレンジで推移。ロンドン時間でも振幅はみせつつもレンジを抜け出せず。前日NY終値144.75レベルを軸に売買が交錯している。植田日銀総裁会見では来年4月からの国債買い入れ減額幅の縮小については、市場機能度の回復や安定性に配慮したとした。欧州株は軟調に推移している。ただ、いずれの材料にも円相場は方向性を示していない。 ユーロドルは1.15台後半での取引。東京午前の1.1543近辺を安値、ロンドン早朝の1.1573近辺を高値とするレンジで売買が交錯している。ドル円と同様に前日NY終値1.1561レベルを挟んで往来する展開が続いている。ユーロ円も166.98から167.61までのレンジで上下動。167.30付近と前日終値付近に落ち着いている。対ポンドではユーロ買いが優勢。このところのECB利下げ打ち止め感と、年後半にかけての英中銀2回利下げ観測の対比が流れを形成しているようだ。 ポンドドルは1.35台後半での取引。東京早朝の1.3591近辺を高値に、ロンドン序盤には1.3542近辺まで下落も、その後は1.35台後半へと買い戻されている。ポンド円は東京午前の196.85近辺を高値に、ロンドン序盤には一時195.97近辺まで下押しされた。その後の戻りは196円台半ば付近まで。いずれもNY終値を下回る水準となっている。ユーロポンドは0.8411から0.8534へと水準を上げてきている。木曜日の英中銀会合では政策金利据え置き見通しも、最近の英経済指標の弱含みを受けて市場では年内2回程度の追加利下げ観測が広がっている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。