ドル円、145円台を再び回復 中東情勢を再び意識 米軍参戦の憶測も=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル高が優勢となり、ドル円は145円台を再び回復した。145円台にはオプション絡みなどの上値抵抗も観測されていたが、市場は中東情勢を再び意識しており、ドル円を下支えしている。 原油相場も急伸。トランプ大統領はG7サミットを途中で離脱し、ワシントンで国家安全保障チームと会合を開き、協議したと伝わった。これにより、米軍がイスラエルによるイラン攻撃に参戦する可能性があるとの憶測が再燃している。トランプ大統領はイランに「無条件降伏」を要求。最高指導者のハメネイ氏がどこに隠れているかも完全に把握していると述べていた。 本日からFOMCが始まり、明日の現地時間の午後に結果が発表され、今回は据え置きが確実視されている。先週のインフレ指標が予想を下回り、市場は年内の利下げ期待を高める動きも見られているものの、関税の影響を見極めたいFRBは利下げへの慎重姿勢を変えないと見られている。中東情勢の緊迫化もそれに加わっている格好。今回はFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)も公表されるが、年内1回の利下げに予想を変更すると見られている。3月時点は2回だった。 ユーロドルは1.14ドル台に下落。ユーロドルは1.16ドル台で強固な上値抵抗に直面し、オプション絡みの防戦売りも多数観測され、さらなる上昇の構造的な障害となっているとの指摘も出ていた。ヘッジ目的のフローがこの水準での抵抗を一層強めているという。過去2週間に渡る力強い上昇にもかかわらず、ユーロドルは1.16ドル台を定着させることができていない。 本日はビルロワドガロー仏中銀総裁の発言が伝わっていたが、ECBは、政策金利を決定する際に原油価格とユーロの変動を考慮すべきだと述べていた。それらの変動はインフレに影響を与えるため、金融政策の判断に組み込む必要があると指摘した。ECBは現時点で金利を2.00%に当面据え置く見通しで、当局者らは米国との貿易交渉の結果を見極める姿勢を示している。 ポンドドルも戻り売りが優勢となり、1.34ドル台前半まで下落。今週はFOMCのほか、木曜日に英中銀の金融政策委員会(MPC)の結果も公表される。今回は据え置きが確実視されており、今後のヒントが注目されるところだが、英中銀は追加利下げに慎重姿勢を示すものと見られている。 しかし、米大手銀のストラテジストは、英中銀は下半期から利下げペースを加速させる可能性があるとの見方を示している。世界的な関税の影響が顕在化するにつれて、英国のインフレは鈍化し、成長も弱まる可能性があるという。政策金利は8月、9月、11月の利下げで、年末までに3.50%まで低下させると引き続き見ているようだ。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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