ゴム週間展望=売り優勢、ただし中東情勢には注意

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [6月23日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         6月16日〜6月20日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 25年11月限      292.5      310.0(19)    288.6(16)    295.4    +  3.2
 RSS先限      291.0      297.0(18)   291.0(16)     297.0     +  6.0
 TSR20    228.0      237.0(18)    228.0(16)    237.0     +  9.0
 上海9月限   13910   14055(18)  13750(16)   13900         0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 145.37円  前週末比 1.79 円安
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【前週までのレビュー】ロンドンで行われた閣僚レベルの米中通商協議が合意に達した
ことで、目先の強材料は出尽くしとなり、上値の重い展開になるとみた。
【戻り場面は終了か】
 JPXゴムRSS3号は、戻り一服となった。活発限月の11月限は、3日に一代の
安値280.0円を付けた後、戻り歩調となり19日に315.0円まで水準を引き上
げた。しかし、同水準では戻り売りを浴び、295円付近まで押し戻されている。ファ
ンダメンタルズ面では、天然ゴムを積極的に買い進む材料は乏しく、目先は売り優勢が
続くだろう。
 ただ、中東情勢には警戒が必要だ。レビット米ホワイトハウス報道官は19日、「ト
ランプ米大統領はイラン攻撃について2週間以内に決定する」と述べたことから、中東
情勢の緊張を背景としたドル買いは一時的に収まるなど、中東情勢の緊迫化を背景とし
て金融・商品市場の動きは一服している。ただ、あくまで時間的猶予が生じただけであ
り、イランが無条件降伏に応じるとは考えにくい。イランとの交渉の難航や米国の参戦
となれば、原油価格の急騰に連動し天然ゴム価格も急伸する可能性がある。
【上海ゴム9月限は1万4000元の攻防】
 上海ゴムの中心限月の9月限は、戻り場面となっている。6月4日に一代の安値1万
3295元を付けると、その後は、ジリジリと水準を引き上げ、18日に節目の1万4
000元を上抜くと、19日は1万4100元まで上昇した。ただ、1万4000元超
では売り物も多く、19日の引けは1万4010元となった。1万4000元台は維持
しているものの、同水準を回復したことで、目先の上値達成感もある。1万4000元
をしっかり上抜くことが出来なければ、12日の安値1万3565元付近まで押し戻さ
れる可能性がある。
【中国鉱工業生産は伸びが縮小】
 中国国家統計局が16日に発表した5月の鉱工業生産は、前年比+5.8%と市場予
想(+6.0%)を下回り、前月(+6.1%)からも減速。2カ月連続の伸び率鈍化
となった。米中貿易摩擦の影響で輸出の減少が見込まれ、生産抑制につながった格好
だ。5月には一時的に高関税の見直しで合意したとはいえ、先行き不透明感が根強く、
生産拡大には慎重姿勢がうかがえる。
 一方、同時に発表された小売売上高は前年比+6.4%と、市場予想(+5.0%)
および前月(+5.1%)をともに上回った。また、1〜5月期の固定資産投資は前年
比+3.7%で、1〜4月の+4.0%から減速。不動産開発投資も前年比−10.
7%と大幅に減少しており、不動産市場の停滞が続いている。
【東京ゴム活発限月の11月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の11月限は、3日に一代の安値を付けてから戻り場面と
なり、18日には節目の300円をしっかり上抜いたが、その後、戻りを叩かれた。5
月下旬からの値動きをみると、上海高などを背景にジリジリと水準を引き上げると、5
月27日には330.2円の高値を付けた。だが、同水準では売り圧力が強く、上海ゴ
ムが下値を模索する展開になったこともり、売りが先行、6月3日には一代の安値とな
る280.0円まで下落した。その後、戻り歩調となり、19日に310.0円まで水
準を引き上げた。だが、同水準では戻り売りを浴び、295円台まで急落した。現在
は、300円付近での攻防となっている。
 売りが先行すれば、19日の安値がある295.1円付近が支持になる。同水準を割
り込むと、16日の安値288.6円や節目の285円が意識される。これらの同水準
を下抜くようなら、一代の安値280.0円が視野に入る。一方、買い優勢となれば、
一目均衡表の雲の下限がある306円付近が抵抗になりそうだ。雲に突入すれば、節目
の310.0円や19日の高値315.0円が視野に入る。
【今週の注目ポイント】
 中東情勢に注目したい。米国が参戦となれば、一時的に原油高に追随し、買いが先行
するとみる。ただ、戦時下における商品価格の高騰は短期的に終息するケースも多く、
急落リスクには十分な注意が必要だ。
【相場予想レンジ】
 6月23〜27日のJPXゴムRSS3号11月限の中心レンジ予想は280〜33
0円前後。テクニカルの支持線は290.0円(節目)、抵抗線は315.0円(6月
19日高値)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
23日 ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年6月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年6月速報(Markit)
    米中古住宅販売統計 2025年5月(全米不動産協会)
    米週間穀物輸出検証高(USDA)
    米国産コーン・大豆作付け進度報告(USDA)
    建玉明細報告(CFTC)
24日 独景況感指数 2025年6月(ifo)
    米経常収支 2025年1-3月期(商務省)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2025年4月(S&P)
    米消費者信頼感指数 2025年6月(カンファレンスボード)
25日 米新築住宅販売 2025年5月(商務省)
26日 米国内総生産 2025年1-3月期確報値(商務省)
    米卸売在庫 2025年5月速報値(商務省)
    米耐久財受注 2025年5月速報値(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米中古住宅販売仮契約指数 2025年5月(全米不動産協会)
    米週間穀物輸出成約高(USDA)
27日 労働力調査(失業率) 2025年5月(総務省)
    小売業販売額 2025年5月速報(経済産業省)
    中国工業利益 2025年5月(国家統計局)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    英国内総生産 確報値 2025年1-3月期(国立統計局)
    米個人所得・支出 2025年5月(商務省)
    米消費者信頼感指数 2025年6月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)

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