きょうの為替市場、円安が加速しており、ドル円は一時148円台に上昇する場面が見られた。米軍がイランの核施設を攻撃したことで中東情勢がさらに緊迫化している。ただ、株式市場も底堅く推移し、原油相場も一時下げに転じるなど、市場は意外に冷静な反応を見せている。そのような中、ドル円は積み上がっている円ロング解消が誘発されている模様。 いまのところ落ち着いているとは言え、最も気掛かりとなっているホルムズ海峡閉鎖が現実化した場合の日本経済への影響や、イラン問題で日米通商交渉が遅れるのではとの見方から、円は買いにくいとの声もあるようだ。 ただ、イラン議会は海峡閉鎖を可決しているものの、これには国家安全保障最高評議会の承認が必要なことから即時実行には至らないと見られている。加えて、イランが中東やその他地域で影響力を行使する際にこれまで利用していた代理組織や同盟ネットワークが現在ほとんど機能していない事も投資家が安心材料と見ているようだ。ロシアや中国も言葉による支持に留まっている。 前日は東京都議選が実施され、与党への支持低下を示唆する結果となった。それを受けた7月20日の参議院選や、日銀のハト派姿勢を踏まえれば、短期的に円安が見込まれるとの声も出ている。与党が選挙で敗北した場合、日本の財政のリスクプレミアムが上昇し、ドル円が上昇する可能性があるという。 しかし、景気拡大とインフレ期待が高まるとのシナリオを市場が選択する可能性もあり、その場合は円高シナリオではある。 日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。 23日(月) 現行付近にはなし MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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