【これからの見通し】ドル売りの流れは継続も、理由付けは局面ごとに変化 週明けはドル売り優勢で取引を開始している。ドル円は143円台に軟化、ユーロドルは1.17台で底堅く推移。ただ、ドル安の理由付けは局面ごとに変化しており、取引参加者の頭を悩ませているようだ。先週は有事ドル高とその巻き返しがみられた。そのなかで、次第に米利下げ観測にドル安へと変化した。現在もその文脈のなかにあるようだ。通貨オプション市場では、ドル円1カ月ボラティリティーが上昇している。日米金融政策会合が含まれる時期となっており、市場の金利差動向に対する注目度の高さが示されている状況。 また、不確定要素としては7月9日の相互関税実施期限を控えたトランプ政権の動向が挙げられよう。当初、順調な交渉過程をみせていた日米通商協議だが、自動車をめぐって行き詰まってしまったようだ。トランプ大統領は業を煮やして、書簡を送付する可能性を示している。まだ、米政府による圧力が高まるなかで、カナダやEUなどは妥協の姿勢を示しつつある。中国とは枠組み合意が既報となっている。日本だけが悪い意味で目立たないように願う。そうでなければ、貿易不均衡の面から円高圧力が意識されることとなりそうだ。 この後の海外市場で発表される経済指標は、KOFスイス先行指数(6月)、英消費者信用残高(5月)、インド鉱工業生産指数(5月)、ドイツ消費者物価指数(速報)(6月)、南アフリカ貿易収支(5月)、米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(6月)などが予定されている。ドイツ消費者物価指数速報は、前月比+0.2%、前年比+2.2%などいずれも前回から0.1%ポイント上昇する見込みとなっている。米シカゴPMIは42.9と前回の40.5から上昇する予想となっている。 発言イベント関連では、デギンドスECB副総裁、ラガルドECB総裁などECB当局者、ボスティック・アトランタ連銀総裁、グールズビー・シカゴ連銀総裁など米金融当局者らの講演やイベント出席が予定されている。 今週は金曜日が米独立記念日のため休場となる。米雇用統計が3日木曜日に発表される予定で、短縮されたややせわしない一週間の相場展開となりそうだ。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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