ドル円、一気に150円台を回復 200日線も上抜く=NY為替序盤

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうもドル円は上値追いを続け、一気に150円台を回復している。NY時間に入ってドル高が再び強まっていることもドル円を150円台に押し上げた。FRBが重要視するインフレ指標である6月のPCE価格指数が発表になったが、コア指数は前年比2.8%と、前日にパウエル議長が予想していた2.7%よりも若干高い数字となった。パウエル議長の慎重姿勢を裏付ける内容ではある。

 本日は円安もドル円をサポート。東京時間に日銀決定会合の結果が公表され、予想通りに政策は据え置かれた。ただ、同時に発表になった展望レポートでは25年度のコアCPIの見通しを2.7%と、5月の2.2%から大幅に上方修正したほか、26年度と27年度も1.8%、2.0%に引き上げられた。インフレ見通しの上方修正は事前に想定されてはいたが、若干タカ派な印象もあった模様。

 円相場は一旦、円高の反応が見られていたものの、植田総裁が「25年度の物価見通しの上方修正だけで金融政策は左右されない」と発言したことで、早期利上げに慎重との受け止めから、円相場は円安の方向に戻している。日銀もFRB同様に、関税の影響を慎重に見極めたいようだ。

 市場の注目は明日の7月の米雇用統計へと移っており、今週の重要イベント目白押しの週の締めくくりとなる。先ほど発表になった米新規失業保険申請件数は引き続き強い米労働市場を示唆していたが、明日の米雇用統計もパウエル議長の慎重姿勢を裏付けるか注目される。

 前日のパウエル議長の会見を受けて、短期的にはドル高の流れに落ち着いているようだ。ただ、長期的にはドル安との見方も根強く、どこまでドル高の流れを維持できるかは不明だが、ドル円については、一気に200日線を上抜いており、心理的節目の150円台も回復。目先は維持できるか注目される。

 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。

31日(木)
現行付近にはなし

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。