【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における9月 16日時点の大口投機家の売り越しは471万5921枚となり、前週の516万 0574枚から縮小した。取組高合計は5188万5588枚となり、前週から105 万7249枚(2.1%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が18.3%増、債 券合計が2.2%増、為替合計が13.8%減となった。商品市場の取組高は、穀物合 計が2.9%増、エネルギー合計は1.3%増、金属合計は3.2%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売り、新規売 りが出て売り越しを拡大、債券で新規買い、買い戻しが入って売り越しを縮小した。為 替は買い戻しが手じまい売りを上回って買い越し(ドル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)では25ベーシスポイント(bp)利下 げが決定されたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が今後の利下げに対して 慎重姿勢を示したことからドル安が一服した。ただCMEのフェドウォッチでは、10 月と12月の利下げが織り込まれた。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が6万1411枚買い越し(前週9万1643 枚買い越し)、ユーロは11万7759枚買い越し(同12万5677枚買い越し)、 英ポンドは6580枚売り越し(同3万3605枚売り越し)となった。ユーロは手じ まい売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。 商品市場では、原油がウクライナがロシアの製油所を攻撃したことが支援要因になっ たが、ロシアの原油輸出が安定的との見方や供給過剰見通しを受けて戻りを売られた。 金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受けて史上最高値を更新したのち、 米連邦公開市場委員会(FOMC)後のドル高を受けて上げ一服となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が9万8709枚買い越し(前週 8万1844枚買い越し)に拡大した。新規買い、買い戻しが入った。ニューヨーク金 は26万6410枚買い越し(同26万1740枚買い越し)、ニューヨーク・プラチ ナは1万5203枚買い越し(同1万4356枚買い越し)に拡大した。金は新規買 い、買い戻しが入り、プラチナは新規買いが新規売りを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが3万6169枚売り越し(前週5万4244 枚売り越し)に縮小、大豆は2万1187枚買い越し(同8323枚買い越し)に拡大 した。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は新規買いが新規売りを上回った。前 週のコーンは、ドル安となったが、米国の収穫進行に上値を抑えられた。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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