プラチナ週間展望＝堅調、米利下げ見通しや金上昇で

　　　　　　　　　　　　　［１０月１３日からの１週間の展望］
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　　　週間高低（カッコ内は日）   2026 年  8 月限  10 月 6 日〜 10 月 10 日
　　　　　　　　始　値　　　高　値　　　　安　値　　　　帳入値　　　前週末比
　　金          18,503    20,130 ( 9)   18,454 ( 6)     19,758       +1,263
　　銀           228.0     246.0 (10)    228.0 ( 6)      232.3        +14.3
　プラチナ       7,083     7,958 (10)    7,067 ( 6)      7,535         +478
　パラジウム     6,100     7,100 ( 9)    6,100 ( 6)      7,000       +1,000
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　　ＮＹ貴金属（カッコ内は限月）      | 東京外為・株式／ＮＹ原油
　　　　　　  10  日終値　　前週末比  |  　　　　　　終　値　     前週末比
　　金       (12) 4,000.4     +91.5   | ドル・円　　  152.70      5.15　円安
　　銀       (12) 4,724.7     -71.8   | 日経平均　 48,088.80      +2319.30
　プラチナ   ( 1) 1,623.0     -19.1   | ＮＹ原油 (11)  58.90         -1.98
　パラジウム (12) 1,470.60   +177.60  |* ドル・円は15時45分現在、原油は 10日
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【前週のレビュー】
　プラチナは米政府機関閉鎖の行方を確認、とした。
　プラチナは米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の利下げ見通しや金堅調を受けて買い優勢と
なったが、ガザ停戦合意を受けて金に利食い売りが出ると、上げ一服となった。現物相
場は２０１３年２月以来の高値１６８６．８５ドルを付けた。プラチナ先限は上場来高
値７９５８円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は２０２３年５月以来の高値
１４９７．７８ドルを付けたのち、上げ一服となった。
　米政府機関の閉鎖が２週目に突入した。２５万人以上の連邦職員が予定されていた給
与を受け取れなかった。トランプ米政権は強硬姿勢で民主党に妥協を迫っている。また
行政管理予算局（ＯＭＢ）による法的文書の草案で、政府閉鎖が終わっても職員が必ず
しも遡及的に給与を受け取れるとは限らないと主張している。一方、米政府機関の一部
閉鎖の影響で航空管制官らが不足し、米国内の多くの空港で航空便の遅延が続いてい
る。ダフィー米運輸長官は、政府機関の一部閉鎖中に欠勤を繰り返している航空管制官
を解雇する可能性があると警告した。
　９月１６〜１７日の連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）議事要旨によると、大半の当局
者は雇用市場への下振れリスクが高まり、利下げが正当化されるという見解で一致し
た。　同時に、インフレが目標の２％を上回って推移し、関税措置を巡る不確実性が続
いている状況を踏まえ、「参加者の大多数はインフレ見通しの上振れリスクを強調し
た」という。９月の米ＩＳＭ非製造業総合指数は５０．０となった。新規受注の大幅な
減速を背景に、前月の５２．０から低下した。雇用も低調で、労働市場の減速が改めて
示唆された。
【欧米のプラチナ・パラジウムＥＴＦ残高が増加】
　プラチナＥＴＦ（上場投信）の現物保有高は、８日のロンドンで１０．３０トン（前
週末１０．２４トン）、９日のニューヨークで３９．３３トン（同３８．７８トン）に
増加、８日の南アで７．６３トン（同７．６３トン）と変わらずとなった。またパラジ
ウムＥＴＦの現物保有高はロンドンで５．６２トン（同５．４５トン）、ニューヨーク
で１７．２２トン（同１５．６７トン）に増加、南アで０．３３トン（同０．３３ト
ン）と変わらずとなった。価格上昇を受けて欧米のプラチナ・パラジウムＥＴＦ残高が
増加した。一方、米商品先物取引委員会（ＣＦＴＣ）の建玉明細報告は米政府機関閉鎖
を受けて発表が延期された。９月２３日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の
買い越しは２万２０４２枚（前週１万５２０３枚）、パラジウムの売り越しは３８４０
枚（同４０１２枚）となった。
【プラチナ・パラジウムの価格上昇でリサイクル供給が増加見通し】
　ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル（ＷＰＩＣ）によると、最近の
貴金属価格の上昇によってリサイクルが進み、２０２５年には自動車触媒のリサイクル
のプラチナ供給量が６％、パラジウム供給量が８％増加すると予測された。さらに先を
見据えると、自動車触媒のプラチナのリサイクル供給量は２０２４年から２０２９年に
かけて年平均で４．７％増加すると予想された。パラジウムのリサイクルも同期間に
７．５％増加すると見込まれた。これらの予測はいずれも、使用済み自動車触媒の供給
量増加と、年初来のプラチナ系貴金属（ＰＧＭ）の価格上昇によるリサイクルの増加を
背景としている。ただ自動車触媒のリサイクル供給は価格弾力性を持つため、パラジウ
ム市場が２０２７年以降に供給過剰に転じると、プラチナのリサイクル供給の伸びは抑
制される可能性があるという。
当面の予定（イベント・経済統計）
１３日　●スポーツの日、米国（コロンブスデー）、カナダ（感謝祭）
　　　　中国貿易収支 2025年9月（税関総署）
１４日　英雇用統計 2025年9月（国立統計局）
　　　　独消費者物価指数 2025年9月確報（連邦統計庁）
　　　　独景況感指数 2025年10月（ZEW）
１５日　中国消費者物価指数 2025年9月（国家統計局）
　　　　中国生産者物価指数 2025年9月（国家統計局）
　　　　ユーロ圏鉱工業生産 2025年8月（EUROSTAT）
　　　　米消費者物価指数 2025年9月（労働省）
　　　　米製造業景況指数 2025年10月（ニューヨーク連銀）
　　　　米地区連銀経済報告・ベージュブック（FRB）
１６日　機械受注 2025年8月（内閣府）
　　　　英貿易収支 2025年8月（国立統計局）
　　　　英鉱工業生産指数 2025年8月（国立統計局）
　　　　ユーロ圏貿易収支 2025年8月（EUROSTAT）
　　　　米小売売上高 2025年9月（商務省）
　　　　米新規失業保険申請件数（労働省）
　　　　米生産者物価指数 2025年9月（労働省）
　　　　米製造業景況指数 2025年10月（フィラデルフィア連銀）
　　　　米企業在庫 2025年8月（商務省）
１７日　ユーロ圏消費者物価指数 2025年9月確報（EUROSTAT）
　　　　米住宅着工・許可件数 2025年9月（商務省）
　　　　米輸出入物価指数 2025年9月（労働省）
　　　　米鉱工業生産・設備稼働率 2025年9月（FRB）
　　　　対米証券投資 2025年8月（財務省）
　　　　建玉明細報告（CFTC）
※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

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