【NY金は1月の米雇用統計が強気も雇用情勢不安受け高値圏を維持】 NY金4月限は1月30日から2月2日にかけ暴落した後は売り一巡感から買い戻さ れた。10日は売り優勢ながら終値で5000ドル台を記録し下値の堅さを示した。。 10日は5144.5ドルまで反発し、5098.5ドルで引け、5100ドルに迫る 動きを見せている。 NY金4月限が終値5000ドル台を回復した要因は、米国の雇用情勢軟化に対する 警戒感が挙げられる。 5日に発表された米労働省の25年12月雇用動態調査(JOLTS)で、雇用者数 が前月の692万8000件を38万6000件下回ったほか、20年9月以来の低水 準となる654万2000件にとどまった。これにより失業者1人あたりの求人数は前 月の0.89件から0.87件に減少している。 米政府機関の一部閉鎖により発表予定が延期され、11日に米労働省が発表した1月 の米雇用統計は非農業部門雇用者数の前月比は事前予想を上回る13万人となり、強気 となった。求人件数の減少を見ると今後も雇用者数が安定的に増加するとは予測しがた い。 米トランプ政権の関税政策によりインフレ高進が見込まれるうえ、トランプ政権によ る関税政策は導入が発表された直後に撤廃が改めて表明されるなどは不確実性が高く、 企業にとって長期計画を立てづらい状況となっている。これに加え、人工知能(AI) による影響の見通しの不透明感から、企業側も雇用の拡大には積極的な姿勢を取り難い 状況となっているからだ。 1月雇用者数は予想を上回る伸びを見せたとはいえ、その内訳は民間の教育・医療サ ービス部門の13万7000人増が多数を占めるなど偏りが見られていることも注意し たい点となる。というのも、雇用の伸びは特定分野にのみ集中しており、が全体的に堅 調である可能性が低いことが示されているからだ。 今回の強気な雇用情勢の発表を受けて米国の早期利下げ観測は後退したものの、米株 式市場での下げ幅は限られたうえ、対円でのドル買いの動きも限られており、米雇用情 勢に対する楽観的な見方が広がったとはいえない状況だ。米雇用情勢を楽観視できない 状況は、米国内外の不安と共に安全資産を求める動きを刺激することなろう。 強気な数字の発表を受けてパウエル米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名さ れているウォーシュ氏が議長就任後に最初の会合になるとみられる6月に利下げを実施 する可能性は後退したと見られることはNY金市場にとって上値抑制要因になり得る。 ただ、米トランプ政権による国際秩序よりも自国の利益を追求する姿勢やこれによって 生じている地政学不安や米国離れの動き、また、たびたび発生する米政府機関の一部閉 鎖は米国内外の不安を高める要因になっている。 米国を震源として米国内外に不確実性や不安が続くなかで、万国共通の価値を持つと される金には根強い需要が見られると予想される。SPDRの金ETF残高は2月4日 から5日にかけて減少したものの、10日時点で1079トン台と依然として高水準を 維持しており、金への投資意欲の根強さを示している。 1月29日に一代の高値を更新し、その後に急落したことで目先の高値確認感は強 く、今後の上げ余地は限られる可能性があるが、NY金4月限は根強い安全資産需要に 支えられ5100ドル台を目指しての高もみあい継続が想定される。 MINKABU PRESS
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