石油週間展望=上限を抜けず反落、しかし米国とイランの緊迫化は続く

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
            [2月16日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)    2 月 9 日〜 2 月 13 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   83,000    83,000( 9)    83,000( 9)   83,000        ±0
灯  油  先限   83,000    83,000( 9)    83,000( 9)   83,000        ±0
原  油 7月限   64,120    64,700(12)    61,590(13)   61,900      -2,200
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                                       2 月 9 日〜 2 月 12 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値     安 値     終 値   前週末比
  NY原油  4 月限    62.81    65.61(11)   62.23(12)  62.65    -0.71
ブレント原油  4 月限    67.25    70.72(11)   67.02( 9)  67.52     -0.53
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13日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 153.33 前週末比 3.49円の円高
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油3月限はここまでは61〜65ドル台を中心に広
い範囲での乱高下が続いている。6日午後には63ドル台中盤で推移しているが、ボラ
ティリティの高さを考えると、天井確定とするのは時期尚早で上抜ける可能性はまだ残
っているとみたい。仮に上抜いた場合は昨年6月23日の69.80ドルが上値目標と
なるが、そのような状況は、米国がイランを実際に攻撃した場合に限られそうだとし
た。

【NY原油はもみ合い上限抜けずに反落】
 ニューヨーク原油3月限は20日に納会するため、4月限が指標限月となる。その4
月限で見ると、2月に入ると、おおよそ5ドル幅の広めのもみ合いが続いているが、1
月29日に付けた戻り高値の65.99ドルをなかなか上抜けない状況となっている。
直近も11日に65.61ドルまで上昇したものの、その後は再び崩れて12日には大
陰線を引き62ドル台半ばまで大きく後退した。本稿執筆時の13日午後時点も62ド
ル半ばとほぼ同水準で推移している。
 2週間広めのもみ合いが続いているため、どちらに抜けるのか目先、注目されるが、
タイミング的に4月限に商いの中心が移る時期に下押さられる展開となっており、買い
が入りやすいエリアに入って来た印象。日柄的には17日が新月であり、その辺りで目
先の底入れをするような展開を予想したい。ただ、前回は満月の前に前倒しで天井を付
けたことを考えると、新月の前に底入れするパターンも十分に考えられる。

 材料的には、上昇局面では、米国とイランの緊張激化、とくに米国がイランを攻撃す
る可能性が懸念されたが、その緊張が小康状態に入ると、各機関から発表された月報、
とくに12日に発表された国際エネルギー機関(IEA)のそれが嫌気されて圧迫要因
となった。
 12日に発表されたIEA月報では、2026年の世界需要の伸びは日量85万バレ
ルと、前月の同93万バレルから下方修正されて、供給過剰が日量370万バレルとな
る見通し。米国の厳しい寒波や12月から続くカザフスタンの供給障害で、1月の世界
石油供給は同1億0660万バレルと、前月比同120万バレル減となったものの、今
後の生産回復で影響は大きくない見込みとされた。
 ちなみに石油輸出国機構(OPEC)月報によると、1月のOPEC産油量も同
2845万バレルと、前月の同2859万バレルから減少した。

 ただ、そのような「統計物」を織り込んだ後は引き続き米国とイランの緊張激化が最
大の焦点となりそうだ。11日の米イスラエル首脳会談や米国の中東への追加空母の派
遣検討など、一触即発ムードがこれまでより高まっている。
 前者では、米国の軍事作戦とイスラエル本土の防衛についての協議されたことが報じ
られており、後者の追加空母の派遣検討とともにまさにイスラエルのための米国のイラ
ン攻撃ありきの感が強まっている印象だ。米国は当然表向きはイランの対話の姿勢を取
り続けると思うが、べネズエラの時と同じようにいつ攻撃を開始してもおかしくなく、
実施された場合の原油相場に与えるインパクトは数倍大きくなるだろう。とくにホルム
ズ海峡閉鎖などが懸念される事態まで発展すると相場は噴き上げることになる。

 前回の当欄で、インドがロシア産原油輸入停止したことを記したが、露イズベスチヤ
紙によると、ロシアはキューバへの原油や石油製品の輸出を目論んでいるようだ。同紙
は、在キューバのロシア大使館筋の話として、「人道支援として、近い将来ロシアから
キューバへの原油や石油製品の供給が見込まれる」と指摘した。輸出規模や時期の言及
はなかった。
 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はさらに過去最高値を更新して一時5
万ドル台に乗せた。12日は大幅安となったものの、大局的には高値圏でのもみ合いが
続いている。
 ドルインデックスはもみ合いながらジリ高基調が続き、97ポイント台に乗せた。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である7月限はボリンジャーバンドの1シグマ(6万3280円辺
り)を支持線として、2シグマ(6万4710円辺り)との間の高値もみ合いが続いて
いたが、13日に大陰線を引いて、それを大きく割り込み、21日移動平均線でもある
ボリンジャーバンドの中心線(6万1850円辺り)を試した。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油4月限は高下しながらボリンジャーバンドの1シグマ(64.12
ドル辺り)を挟んで上向きの展開となっていたが、12日の大陰線で急落して、安値で
はボリンジャーバンドの中心線(62.20ドル辺り)を試した。

 ブレント原油4月限もほぼ同様の展開だが、12日の大陰線でも安値は67.09ド
ルと、ボリンジャーバンドの中心線(66.57ドル辺り)にはまだ余裕を残した。
<当面の予定>
15日【休日】中国春節(23日まで)

16日【経済】国内総生産 2025年10-12月期1次速報(内閣府)
   【経済】鉱工業生産指数 2025年12月確報(経済産業省)
   【経済】小売業販売額 2025年12月確報(経済産業省)
   【経済】ユーロ圏鉱工業生産 2025年12月(EUROSTAT)
   【経済】英住宅価格指数 2026年2月(ライトムーブ)
   【休日】米大統領の日

17日【経済】第3次産業活動指数 2025年12月(経済産業省)
   【経済】独消費者物価指数 2026年1月確報(連邦統計庁)
   【経済】独景況感指数 2025年2月(ZEW)
   【経済】英雇用統計 2026年1月(国立統計局)
   【経済】米製造業景況指数 2026年2月(ニューヨーク連銀)
   【経済】米企業在庫 2025年12月(商務省)

18日【経済】貿易収支 2026年1月速報(財務省)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】仏消費者物価指数 2026年1月確報(INSEE)
   【経済】英消費者物価指数 2026年1月(国立統計局)
   【経済】英小売物価指数 2026年1月(国立統計局)
   【経済】英生産者物価指数 2026年1月(国立統計局)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米住宅着工・許可件数 2026年1月(商務省)
   【経済】米輸出入物価指数 2026年1月(労働省)
   【経済】米鉱工業生産・設備稼働率 2026年1月(FRB)
   【経済】米FOMC議事録公表 1月27日-28日(FRB)
   【経済】米対米証券投資 2025年12月(財務省)
   【工業】米週間石油統計(API)

19日【経済】機械受注 2025年12月(内閣府)
   【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 2月8日-2月14日(財務省)
   【経済】ユーロ圏国際収支 2025年12月(ECB)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】米製造業景況指数 2026年2月(フィラデルフィア連銀)
   【経済】米景気先行指数 2026年1月(カンファレンスボード)
   【経済】米中古住宅販売仮契約指数 2026年1月(全米不動産協会)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

20日【経済】消費者物価指数 2026年1月(総務省)
   【経済】ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2026年2月速報(Markit)
   【経済】ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2026年2月速報(Markit)
   【経済】ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2026年2月速報(Markit)
   【経済】独生産者物価指数 2026年1月(連邦統計庁)
   【経済】英小売売上高 2026年1月(国立統計局)
   【経済】米消費者信頼感指数 2026年2月確報値(ミシガン大)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
   【納会】米WTI原油 2026年3月限(NYMEX)
    【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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