金・銀週間展望=もみ合い、米利下げ観測後退やリスク回避が上値を抑える

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [2月16日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2026 年 12 月限  2 月  9 日〜 2 月 13 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          25,165    26,307 ( 9)   24,728 (13)     25,168         +38
  銀           415.0     438.0 ( 9)    394.2 (13)      400.0        -3.6
 プラチナ       9,461    10,452 ( 9)    9,399 ( 9)      9,782        +383
 パラジウム     8,300     8,500 (10)    8,200 (13)      8,200        -100
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        12  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 4) 4,948.4     -31.4   | ドル・円    153.33      3.49 円高
  銀       ( 3) 7,568.2    -121.3   | 日経平均  56,941.97     +2688.29
 プラチナ   ( 4) 2,021.7     -77.7   | NY原油 ( 3)  62.84        -0.71
 パラジウム ( 3) 1,656.70    -84.50  |* ドル・円は15時45分現在、原油は 12日
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【前回のレビュー】
 金は調整局面だが、米国とイランの核開発協議を確認、とした。
 金はドル安やイラン情勢に対する懸念を受けて買い優勢となったが、人工知能(A
I)脅威論を受けて株価が急落し、リスク回避の動きが出ると、上げ一服となった。現
物相場は1月30日以来の高値5115.07ドルを付けたのち、上げ一服となった。
金先限は円安一服も上値を抑える要因となり、6日以来の安値2万4728円を付け
た。
 中国の規制当局が米国債の保有を抑制するよう金融機関に勧告した。米国債への集中
リスクや市場のボラティリティーを巡る懸念が理由だという。一方、香港紙サウスチャ
イナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、米国と中国は4月初めに見込まれる
米中首脳の北京での会談の際に貿易休戦を最長1年間延長する可能性があるという。た
だ米下院は9日、台湾保護法案を圧倒的多数で可決した。法案では台湾が中国に脅かさ
れた場合、中国共産党を国際金融の枠組みから排除すべきと明記した。トランプ米大統
領はパレスチナ自治区ガザの暫定統治機関として平和協議会を設立したが、国連に取っ
て代わる可能性があるとしており、中国やロシアとの関係を確認したい。
 米国とイランの政府高官は6日、中東オマーンの首都マスカットで核開発問題を巡り
協議を行った。イランは米国と核問題のみについて協議する。米国が求めているウラン
濃縮停止をイランが拒否した。ただ濃縮のレベルと純度などについては協議する用意が
あるという。協議継続で合意しており、今後の行方を確認したい。米国防総省は11
日、追加的な空母打撃群を中東に展開する準備を行うよう指示した。トランプ米大統領
は、イランに対して「1カ月」という期限を提示し、「合意しない場合、衝撃的な状況
が起きるだろう」と述べた。
 米株式市場で、人工知能(AI)による混乱への懸念からテクノロジー株の売りが強
まった。運輸株からも資金が流出した。AIを活用した新たなツールやアプリケーショ
ンが多くの業界のビジネスモデルを覆しかねないとの懸念が高まっている。AI脅威論
の発端となったのは、AIスタートアップのアンソロピックである。同社は法務やデー
タサービス、金融リサーチに至るまで、幅広い業界の業務を自動化することを狙った新
たなツールを発表した。この発表を受け、技術革新が多くの企業の存続を脅かすとの懸
念が広がった。市場では「AIを取り込み、持続的に成長する企業も出てくるだろう
が、事業モデルや将来性が恒久的に損なわれる企業もある」と指摘され、見極めが非常
に難しいという。ドル安見通しが支援要因だが、株安でリスク回避の動きが強まると、
換金売りの可能性が出てくる。
【金ETF残高は小幅減少】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は12日時点で
1254.76トンとなり、前週末比0.56トン減少した。米国で0.05トン、英
GBSで0.21トン、英ETFSで0.13トン、南アで0.18トン減少、オース
トラリアで0.01トン増加した。戻り場面で投資資金が流出した。一方、米商品先物
取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月3日時点のニューヨーク金の大
口投機家の買い越しは16万5604枚となり、前週の20万5396枚から縮小し
た。今回は手じまい売りが3万7592枚、新規売りが2200枚入り、3万9792
枚買い越し幅を縮小した。
 12月の米小売売上高は前月比横ばいだった。事前予想の0.4%増を下回った。消
費者が自動車やその他の高額商品への支出を控えたためとみられる。昨年末に個人消費
と米経済全体の伸びが鈍化していた可能性が示唆された。一方、1月の雇用統計による
と、非農業部門雇用者数は前月から13万人増加した。事前予想の7万人増を大きく上
回り、13カ月ぶりの大幅増となった。失業率は4.3%と前月の4.4%から改善し
た。ただ労働市場の状況が実質的に転換したと見なすべきではないとの見方も出てい
る。CMEのフェドウォッチによると、4月の金利据え置きの確率は73.1%(前週
59.3%)に上昇した。1月の米消費者物価指数(CPI)でインフレに対する見方
も確認したい。
【銀は調整局面を継続】
 銀の現物相場はドル安や金急落を受けて下げ一服となり、5日以来の高値86.25
ドルを付けたが、株安や金急落を受けて戻りを売られた。金銀比価は6日に66.0ま
で上昇した。地政学的リスクやドル安見通し、供給不足が見込まれていることが支援要
因であり、どの水準で安値拾いの買い意欲が強まるかを確認したい。
 12日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比16.91ト
ン減の1万6174.18トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の
建玉明細報告によると、2月3日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは2万
5877枚となり、前週の2万3703枚から拡大した。
当面の予定(イベント・経済統計)
16日 ●中国(春節)、米国(大統領の日)
    国内総生産 2025年10-12月期1次速報 (内閣府)
    ユーロ圏鉱工業生産 2025年12月(EUROSTAT)
17日 ●中国、香港(春節)
    英雇用統計 2026年1月(国立統計局)
    独消費者物価指数 2026年1月確報(連邦統計庁)
    独景況感指数 2025年2月(ZEW)
    米製造業景況指数 2026年2月(ニューヨーク連銀)
    米企業在庫 2025年12月(商務省)
18日 ●中国、香港(春節)
    貿易収支 2026年1月速報(財務省)
    政策金利公表(NZ準備銀行)
    英消費者物価指数 2026年1月(国立統計局)
    米住宅着工・許可件数 2026年1月(商務省)
    米輸出入物価指数 2026年1月(労働省)
    米鉱工業生産・設備稼働率 2026年1月(FRB)
    米FOMC議事録公表 1月27日-28日(FRB)
    対米証券投資 2025年12月(財務省)
19日 ●中国、香港(春節)
    機械受注 2025年12月(内閣府)
    ユーロ圏国際収支 2025年12月(ECB)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米製造業景況指数 2026年2月(フィラデルフィア連銀)
    米中古住宅販売仮契約指数 2026年1月(全米不動産協会)
20日 ●中国(春節)
    消費者物価指数 2026年1月(総務省)
    独生産者物価指数 2026年1月(連邦統計庁)
    英小売売上高 2026年1月(国立統計局)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2026年2月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2026年2月速報(Markit)
    ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2026年2月速報(Markit)
    米消費者信頼感指数 2026年2月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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