貴金属4品週間見通し=NY金は原油高や米利下げ観測後退が重石も底堅い

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金期近4月限は5250ドルが抵抗線となり、12日以降、売りが優勢も下値堅
く推移している。米国によるイラン攻撃が開始された直後の3月2日に5434.1ド
ルまで浮上する動きが見られたが、続く3日に急落し、一時は5005ドルまで値を落
とした。この水準で買い戻されたものの、5200ドルを上抜くと戻り待ちの売りに上
値を抑制されている。
 米国によるイラン攻撃が開始されて以降、イランも周辺諸国の米軍基地やエネルギー
施設を狙った攻撃を展開している。これによりイラン周辺諸国も今回の紛争に巻き込ま
れている。
 紛争が中東諸国を巻き込む規模に発展していることに加え、イランがホルムズ海峡を
実質的に封鎖していることで原油価格が高騰している。NY原油4月限は9日には
119.48ドルまで急騰。その後、大きく値を落としたものの12日にかけて浮上し
ており、12日は終値で96.39ドルを記録している。
 米国によるイラン攻撃直前の2月27日時点のNY原油4月限の終値は67.02ド
ルだったため、3月に入ってから29ドル程度の急騰となっている。
 これまで米国では昨年トランプ米政権によって引き上げられた関税の価格への転嫁に
よるインフレ高進が警戒されていたが、原油価格の急騰が加わったことで、物価の更な
る上昇に対する懸念が高まっている。
 最近の米国の雇用情勢は弱気な内容が見受けられているうえ、小売売り売上高が昨年
12月、今年1月と2か月連続して低調だった。米個人消費は米国内総生産(GDP)
の約70%を占めるため、低調な小売売上高は米国の経済成長全体の重石となってくる
可能性が高い。
 このような状況下では利下げは見送られるとの見方が強く、これがNY金の上値抑制
要因になっている。
 一方で、長期化が懸念されるイランを巡る中東情勢不安や米国内の雇用情勢及び経済
不安は安全資産を刺激する要因にもなる。また、米軍の攻撃が終結した後の中東諸国の
状況に対する不安もくすぶるだけに、底意も強いと見られる。
 強弱材料に挟まれNY金4月限は5000〜5200ドルのレンジを中心に高下する
場面が続きそうだ。
<銀>
 NY銀5月限は9000セントを上値抵抗にしての高下が続いている。太陽光発電シ
ステムなどの需要増観測が下支えする要因ながら、中東情勢に対する不安感や原油高が
世界経済に与える影響が警戒されていることで上値も抑制されている。
 NY金のもちあいが予想されることもあり、引き続き9000セントを上値抵抗線に
しての往来が続くと見られる。
<白金>
 NY白金4月限は今月2日にかけて浮上し2331.90ドルを記録した後は反落じ
たが、2010ドル台に達すると買い戻される底堅さを見せている。
 2月28日に行われた米国によるイラン攻撃以降、原油価格が高騰しこれが世界経済
にマイナスの影響を与えることが懸念されているうえ、米国の利下げ観測の後退が重石
となっている。
 その一方で自動車触媒や産業用としての旺盛な需要も下支え要因として意識されてお
り、下げ幅の余地も乏しい。引き続き2200ドルを上値抵抗線としたうえでのもちあ
いとなるか。
<パラジウム>
 NYパラジウム6月限は1935ドルに達した2月25日以降は1800ドルを下値
支持線としてもちあったが、3月3日には他貴金属に追随して急落。その後は1600
ドルを下値支持線としながらもじりじりと上値を切り下げる頭重い動きが続いている。
 独自の売買要因に乏しいうえ、安全資産としての役割の薄さも上値を抑制する要因に
なっている。
 1600ドルが下値支持線として意識されるなかでのじり安歩調が見込まれる。
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