石油週間展望=NY原油は乱高下続く、報道次第で一方的に動く展開

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
            [3月23日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)    3 月 16 日〜 3 月 19 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限  150,000   150,000(16)   150,000(16)  150,000     +10,000
灯  油  先限  140,000   140,000(16)   140,000(16)  140,000     + 5,000
原  油 8月限   85,950    90,260(19)    83,040(18)   90,160     + 5,420
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                                       3 月 16 日〜 3 月 18 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値     安 値     終 値   前週末比
  NY原油   5 月限     98.76    99.95(16)  91.45(18)   95.46      -1.38
ブレント原油   5 月限    106.50   111.90(18)  99.54(16)  107.38      +4.24
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19日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 159.70 前週末比 0.35円の円安
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油5月限は米国とイスラエルのイラン攻撃により9
日に113.41ドルまで急騰して以降、70ドル台〜90ドル台を中心に広いレンジ
で乱高下。中東地域の戦争を巡る情報にまさに一喜一憂する展開。今後もニュースごと
に5ドルぐらい乱高下する可能性を考えておいた方が良さそうで、極めてボラティリテ
ィが高いため、トレードはポジションサイズを通常より落としたいとした。

【NY原油は当面はボラティリティの高い値動きが続く】
 ニューヨーク原油は乱高下が続いている状況に変化はないが、5月限はこのところ
90ドル台(10ドル単位)での乱高下にレンジアップしている。18日は91.45
〜99.78ドルで推移した。本稿執筆時の19日午後には96ドル台まで軟化してい
る。
 現状では突発的に100ドル台乗せもあるが、定着は難しいという値動きになってい
る。1日最低でも5ドル幅ぐらいで動く(10ドル幅で動くこともよくある)極めてボ
ラティリティ(変動率)の高い相場付きとなっており、当面はそれが続きそうだ。

 材料的には、中東地域では、当事国だけでなく周辺国の製油所、油田、ガス田、輸出
拠点などエネルギーインフラ施設の攻撃が激化しており、原油の供給障害懸念を増大さ
せる結果となっている。。その最たるものが13日に実施された米国のイランの石油輸
出拠点であるカーグ島攻撃だった。カーグ島は日量330万バレルの原油を生産する同
国の輸出の90%を担う最も重要な拠点である。ただし、米軍は軍事施設を攻撃しただ
けで石油施設に被害なく、カーグ島の占領を検討していることが報じられている。

 また、18日にイスラエルがイランの世界最大級のガス田ある「サウスパース」を空
爆。イランはその報復として、カタールのLNG輸出拠点やサウジアラビアのガス施設
を攻撃したことが報じられている。リヤドで開催されたアラブ・イスラム諸国外相緊急
会議の後、サウジアラビアのファイサル外相はこれを強く非難して、軍事行動の可能性
を留保すると述べた。
 まさに報復合戦が激化しそうな気配となっており、当面は混とんとした状況が続きそ
うだ。

 ホルムズ海峡封鎖問題に関しては、トランプ米大統領は艦隊の派遣を求めた同盟国側
の反応が悪いため、「助けは必要ない」と述べるなど孤立感を含めている。まったく欧
米の足並みは揃っていないが、そのようななか、高市首相が渡米して日米首脳会談が実
施されるが話し合いの結果に注目したい。ホルムズ海峡の安全航行を求めて、17日に
日本イラン外相電話会議が実施されたが、現状敵国の同盟国である日本に色よい返事を
するわけがない。
 最新の情報では、ペルシャ湾にはタンカーなどを含んだ推定150〜250隻の原油
や石油製品の運搬船が滞留して、海上倉庫化しているという。現在海上倉庫化している
原油は推定1930万トン。
 また、通常1日に100〜135隻の船舶がホルムズ海峡を通過するが、それが平均
で20隻以下まで低下しているという。
 日本向けについても、石油タンカーが5隻もペルシャ湾に滞留しており、3月22日
到着分の石油タンカーの到着を最後に中東から日本への石油タンカーの到着見込みはな
いという。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はさらに売られる展開。直近は4万
6000ドル台前半まで下落している。
 ドルインデックスはさらにドル高傾向。直近は100ポイント台に乗せている。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である8月限はさらに高値更新。上昇中のボリンジャーバントの1
シグマ(8万3470円辺り)と2シグマ(9万2540円辺り)の中でのバンドウォ
ークの上昇が続く。19日には高値で9万円台に到達した。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油5月限も上昇中のボリンジャーバントの1シグマ(90.44ドル
辺り)と2シグマ(102.57ドル辺り)の中でバンドウォークの上伸。90ドル台
の広いもみ合いにレンジアップしてきた。

 ブレント原油5月限もほぼ同様の展開。直近は100ドル台に定着しつつあり、18
日には高値で110ドルに到達した。
<当面の予定>
24日【経済】消費者物価指数 2026年2月(総務省)
   【経済】ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2026年3月速報(Markit)
   【経済】ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2026年3月速報(Markit)
   【経済】ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2026年3月速報(Markit)
   【経済】米新築住宅販売 2026年2月(商務省)
   【工業】米週間石油統計(API)

25日【経済】金融政策決定会合議事要旨公表 1月22-23日分(日本銀行)
   【経済】景気動向指数 2026年1月改定状況(内閣府)
   【経済】チェーンストア販売統計 2026年2月(日本チェーンストア協会)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
      【納会】バージガソリン・灯油・軽油・中京ローリーガソリン・灯油
       2026年4月限(東京商品)
   【経済】独景況感指数 2026年3月(ifo)
   【経済】英消費者物価指数 2026年2月(国立統計局)
   【経済】英小売物価指数 2026年2月(国立統計局)
   【経済】英生産者物価指数 2026年2月(国立統計局)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米経常収支 2025年10-12月期(商務省)
   【経済】米耐久財受注 2026年2月速報値(商務省)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

26日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 3月15日-3月21日(財務省)
   【発会】バージガソリン・灯油・軽油・中京ローリーガソリン・灯油
             2026年10月限(東京商品)
   【経済】仏消費者信頼感指数 2026年3月(INSEE)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)

27日【経済】貿易収支 2026年2月確報(財務省)
   【経済】中国工業利益 2026年2月(国家統計局)
   【経済】英小売売上高 2026年2月(国立統計局)
   【経済】米卸売在庫 2026年2月速報値(商務省)
   【経済】米消費者信頼感指数 2026年3月確報値(ミシガン大)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
    【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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