貴金属4品週間見通し=金はインフレ高進懸念と米利下げ観測の後退が重石

配信元:MINKABU PRESS
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 NY金4月限は2月28日に開始された米国によるイラン攻撃を受けて安全資産を求
める動きが高まるなか、今月2日に5434.1ドルまで値を伸ばした後に値を落とし
ながらも5100ドルを支持線に下値堅く推移していたが、3月16日の週を迎えると
軟化傾向を強めた。17日までは5000ドルを支持線になっていたが、18日に急落
となり、4809.3ドルと2月6日以来の安値まで下落。安値で買い戻す動きが見ら
れたものの、4896.2ドルで引け、5000ドルを大きく割り込んで終えた。
 トランプ米政権によるベネズエラ攻撃が行われた年始早々には金に安全資産を求める
動きが広がり、1月29日に一代の高値となる5626.8ドルまで浮上し、その後、
値位置を落としたことで買い一巡感が強まった。3月に入り、イランを巡る中東不安の
なか、イランが実質的にホルムズ海峡を封鎖したことで原油が高騰し、インフレ高進が
警戒されるため、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを先延ばしする見方が金市場で
の重石になっている。
 金は金利を生まない資産とされるため、イランへの軍事攻撃とともに原油価格が高騰
している現状下での利下げ観測の後退は、金にとって弱材料となる。その一方で、金利
を生む資産であると同時に有事の時の安全資産ともされる米ドルには逃避用需要が膨ら
んでいる。
 他国の通貨に対するドルの強さを表すドルインデックス指数は、NY金が一代の高値
を更新していた1月末時点では96を割り込んでいたものの、3月に入ってから100
台に達する場面がたびたび見られており、ドル買いの動きが強まっている様子を示して
いる。
 米国外では、イラン情勢の着地点が見当たらず今後の見通しの不透明感が安全資産を
求める動きを刺激する一方、米国内では米雇用情勢の軟化や個人消費の停滞など、弱気
な米経済指標の発表が見受けられる。
 金に対する安全資産を求める動きは底堅いと見られるものの、1月末にかけて一代の
高値を更新する場面が続いた後も5000ドル台と過去に例を見ない高水準での高下が
続いた後だけに、利益確定の動きが続く可能性もある。すでに目先の安値であった2月
17日の安値4854.2ドルを下抜いたことで売り警戒感が強まる可能性もあるが、
米公開市場委員会(FOMC)において今後の利下げ見通しが年内1回に据え置かれた
ことも重石となり、安全資産としての役割に対する意識が再び強まるまでは戻りを抑制
される動きとなりそうだ。
<銀>
 NY銀5月限はNY金が5100ドルを下値支持線として底堅い動きを見せるなかで
は8000セントを支持線として高下していたものの、NY金の軟化にともなって値位
置を切り下げ、18日の取引では232.9セントの下げ幅を記録して7759.2セ
ントで取引を終えている。
 太陽光発電用パネルなど産業用需要の増加が見込まれながらも、NY金の高騰も手伝
って価格が浮上してきた一面もあるだけに、NY金の軟化が重石になっている。
 既に需給面の買い支援要因は織り込み済みと見られるため、8000セントを抵抗線
にしての頭重く高下すると見られる。
<白金>
 NY白金4月限は3月2日から3日にかけ大きく値を崩した後は2000〜2250
ドルのレンジでの高下が続いている。産業用としての需要は根強く見られると予想され
る一方、原油高によるインフレ高進や世界経済の悪影響が懸念要因となっている。
 イラン情勢が悪化するなか、有事のドル買いの動きが強まっていることも白金市場の
上値抑制要因であり、引き続き同値圏でもちあうと予想される。
<パラジウム>
 NYパラジウム6月限は独自の手がかりに乏しいなか、他貴金属の推移に連動する動
きが続いている。3月16日の週を迎えてからは支持線の1600ドルを割り込んだう
え、18日は1488ドルまで値を落とすなど1500ドルを割り込む場面が見られ
た。新たな買い支援要因に乏しいうえ、NY金の頭重い動きが見込まれるだけに、再び
1500ドル割れを示現する可能性を含んだ安もちあいとなるのではないか。
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