石油週間見通し=NY原油当限は青天井、ブレント原油に上ザヤ化

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油は乱高下が続いている状況に変化はない。5月限
は昨年12月16日の安値54.97ドルから3月9日の高値113.41ドルまでの
上げ幅に対する半値押し84.19ドル〜23.6%押し99.62ドルをコアレンジ
とした値動きとなっている。戦争の本番はまだこれからと見れば、これからも100ド
ル台乗せの可能性は十分にありそうだとした。

【NY原油、当限ベースでブレント原油に上ザヤ化】
 ニューヨーク原油5月限は、前回の当欄で可能性を指摘したように再び100ドル台
に乗せた後、2日には超極大の陽線を引き113.97ドルまで暴騰して、3月9日の
高値113.41ドルを上回った。同日に106ドル台後半まで崩れたため、これで満
月天井(2日は満月だった)かと思われたが、その後はV字型の切り返しとなり、帳入
値は111.54ドル。なお、帳入れ後も上昇したため、最新値は112.06ドル
と、112ドル台を回復しており、まだ高値を更新して青天井化する可能性も残ってい
る。

 いったん売り方の踏み(損失覚悟の買い戻し)が一巡したとみられる相場付きのた
め、ここからどこまで上昇力が残っているか分からないが、後述するように、米国のイ
ラン攻撃がさらに激化するような様相となっているため、前回の4月限が当限の時に届
かなかった120ドル台も瞬間的にあり得る状況と言えそうだ。ただ、そのような場
合、値動きがさらに荒くなることが予想されるため、買いでも売りでも損失を出す可能
性があり、トレードは慎重に行いたい。

 ニューヨーク原油の当限がパニック的な買いとなっていることは、2番限との逆ザヤ
が14ドル以上、さらには通常は下ザヤになっているブレント原油当限に対して上ザヤ
となっていることにも表れており(これはブレント5月当限が直近に納会したことも影
響)、ともに縮小狙いのサヤ取りの売りもニューヨーク原油の当限には出やすくなって
いる。
 材料的には、日本時間の2日午前10時から実施されたトランプ米大統領の国内向け
演説が火柱相場のきっかけとなった。同演説はイラン攻撃に対する軍事的成果を強調す
るばかりで、和平プロセスを示すものではなかったので、停戦期待を持って注目してい
た市場には全く的外れで失望視された。
 それどころか同大統領は、「今後2週間〜3週間でイランに極めて厳しい打撃を与え
る」、「イランを石器時代に戻す」など戦争に火に油を注ぐようなことを言っており、
今後、中東地域全体にさらに戦禍が広がり、原油の供給障害が続くのは必至の状況とな
っている。ただ、原油の暴騰には頭を抱えていると思われるため、相場沈静化のための
方策が緊急避難的に発表される可能性もあるので注意したい。

 戦争以外の材料としては、5日に石油輸出国機構(OPEC)プラスの主要8カ国の
オンライン会議が開催される予定。5月も増産で合意すると思われるが、実質的にこれ
が現在の供給障害懸念を払しょくする可能性はほぼないため、市場にはあまり材料視さ
れないだろう。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はずっと下落基調が続いていたが、直
近は引け値ベースで4万5000ドル台を割り込まずに4万6000ドル台に戻してい
る。
 ドルインデックスはいったん100ポイント台を割り込んだが、直近は100ポイン
トの節目近辺でのもみ合いとなっている。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である9月限は1日に大陰線を付けて21日移動平均線でもあるボ
リンジャーバントの中心線(8万1910円辺り)を割り込んだ後、同線を上値抵抗と
した値動きとなっている。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油5月限は2日の大暴騰でそれまで上値抵抗となっていたボリンジャ
ーバントの2シグマ(108.43ドル辺り)を大きく上回り113.97ドルの高値
を付けて、3月9日の高値113.41ドルを上回った。

 ブレント原油6月限は100ドル以下の下値の堅さを確認する形で2日に大陽線を引
き、再びボリンジャーバンドの1シグマ(106.93ドル辺り)を上回ったものの、
110ドルの節目が上値抵抗となった。

MINKABU PRESS

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