【前週のレビュー】ニューヨーク原油5月限は再び100ドル台に乗せた後、2日には 超極大の陽線を引き113.97ドルまで暴騰。米国のイラン攻撃がさらに激化するよ うな様相となっているため、前回の4月限が当限の時に届かなかった120ドル台も瞬 間的にあり得る状況とした。 【NY原油、目先は米イラン協議の行方次第か】 ニューヨーク原油5月限はさすがに120ドル台には届かず、7日に117.63ド ルの高値を付けたあと暴落した。暴落後のここまでの安値は8日に付けた91.05ド ルで、その後は反発して9日には一時的に100ドル台を回復する場面があった。その 後は再び反落して、本稿執筆時の10日午後には98ドル台前半で推移している。前述 の暴落幅の38.2%戻し(101.20ドル辺り)をいったんは突破したが、その後 はそれを大きく下回っている。チャート上は再び下値トライとなる可能性が高まってい るが、それも材料次第のため、引き続き中東の戦況報道に一喜一憂する展開が続きそう だ。 材料的には、今回の暴落の主因となったのは、日本時間の8日未明に電撃的に発表さ れた米国とイランの2週間の停戦合意だが、イラン国営放送が9日、最高指導者、モジ タバ・ハメネイ師談として、ホルムズ海峡の同国による管理強化を示唆するなど、安全 な自由航行を求める米国側と早くも衝突している。 そのようななか、11日に仲介国であるパキスタンのイスラマバードで、米イラン協 議が実施される予定だが、この内容が週明け13日のアジアの時間帯の原油取引の波乱 要因となりそうだ。和平の道標が示されれば急落、不調に終われば急伸となる。とくに 原油にとって重要視されるのは、ホルムズ海峡の通航がどうなるかである。いずれにせ よ、週明けに静かに始まるような展開は予想しにくい。 また、イラン側が11日の協議への参加について、「イスラエルがレバノンへの攻撃 を停止した場合に限る」とする一方、米国は今回の停戦合意にレバノン攻撃は含まない という立場のため、最悪の場合、協議がキャンセルされる可能性もあり得ると見ておき たい。 他の産油国のニュースとしては、サウジアラビアの国営通信が9日、同国のエネルギ ー省関係者の話として伝えたところによると、同国のエネルギー施設の攻撃による被害 で、同国の石油生産能力が日量60万バレル、東西パイプラインの輸送量が同70万バ レル減少しているという。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はさらに反発基調を強めており、4万 8000ドル台を回復した。 ドルインデックスはそれまでの100ポイント近辺のもみ合いから、99ポイント台 割れまで下落している。 【重要発表前に大量の売りポジション】 ロイター通信によると、今回の停戦合意発表の数時間前、ある投資家がWTI原油先 物とブレント原油に合計8600枚の売りポジションを建て、9億5000万ドルの取 引が行われていたことが明らかになった。 また、3月23日のトランプ米大統領がイランのエネルギー施設の攻撃を5日間延長 すると発表する直前にもある投資家が5億ドル規模の売りポジションが取ったことが指 摘されている。 なお、これを受けて、米政府は3月24日に職員に対して、立場を利用して先物取引 をしないように警告メールを出しているという。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である9月限は21日移動平均線でもあるボリンジャーバントの中 心線(8万3000円辺り)を上値抵抗として、8万円の節目を挟んだ広めのもみ合い となっている。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油5月限は8日の大陰線でボリンジャーバントの中心線(97.76 ドル辺り)を割り込んだが、9日は同線を挟んだ広めのもみ合いとなった。 ブレント原油6月限は8日にギャップを開けて急落して、それまでのボリンジャーバ ントの中心線(101.21ドル辺り)の上側でのもみ合いから、同線の下側のもみ合 いに一気にレンジダウンして、100ドル台も割り込んだ。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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