<金> NY金6月限は5月15日の取引の際、終値ベースで4600ドルを割り込んで以降 4600ドルが抵抗線となり、低迷が続いている。 米国とイランの戦闘が開始した2月下旬以降、中東情勢不安から安全資産を求める動 きが高まり価格が上昇したのは3月中旬までで、それ以降は概ね4800ドルを下回る 水準での高下にとどまっている。 米国とイランの戦闘が長期化するとの懸念が強まるなかで原油価格が高騰し、これが インフレ高進懸念を高めると同時に米国の利下げ先延ばし観測を強めたこと、さらに これらを受けて米債券の金利が上昇したことがNY金市場での上値抑制要因になってい る。 注目されるのが、インフレ高進が明らかとなっているにもかかわらず、人工知能 (AI)関連企業の業績が好調を記録するなか、AI関連の設備投資が活発化している ことで雇用が生み出される結果、米雇用者数は順調に増加している点だ。 また、データセンターの設備拡張の動きが続くなか、米製造業に関連する経済指標も 強気な内容の発表が続いている。 現時点では米小売売上高も日常品に加え趣味などの嗜好品などに対する支出の増加も 見られており、インフレ高進下でも米経済には明るい材料が目立つ状況となっている。 これらが根拠となって米国では年内の利下げの可能性が低下する一方で、利上げの 可能性も浮上している。金は金利による差益を産まないだけに、利下げ観測の後退や 利上げの可能性は引き続きNY金市場にとっての上値抑制要因になってくると見られ る。 その一方で、原油価格の高騰が続けば米個人消費が抑制される可能性も浮上してい る。米雇用者数自体は増加を保ち強気な内容となっているものの、平均時給の伸びは 緩やかとなっている。 物価の上昇ペースに賃金の上昇ペースが追い付かない状況が続けば、米国の経済の 約70%を占める個人消費が抑制される可能性もある。インフレ高進が米経済成長に マイナスの影響を与えるとの懸念が強まるようであれば、NY金にも安全資産を求める 資金が流入してくる可能性もある。 また、米国とイランの和平協議が最終段階を迎えていると伝えられていることで21 日のNY原油は下落し、その一方でNY金は堅調となっている。原油価格に大きく影響 する米国とイランの和平交渉の行方次第では、NY金はさらに上昇する可能性がある だけに、両国の協議の行方を注目したい。 <銀> NY銀7月限は今月13日から18日にかけて値位置を落とした後は21日移動平均 が通る7816セントが上値抵抗線として意識されるなかのもちあいが続いている。 工業用としての需要の根強さが下支え要因となる一方、金の頭重い動きが重石となっ ている。米国とイランの和平協議の行方を睨みながらの一進一退の動きが続きそう。 <白金> NY白金7月限は14日以降の下落基調に一服感が強まっているが、2000ドルが 上値抵抗線として意識されている。 米国とイランの和平協議に対する合意期待が高まる一方、ドル買い傾向が上値を抑制 する要因になっている。工業用としての需要の根強さが下支え要因ながら、ワールド・ プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)は2026年通年では供給不 足の可能性を示唆しているが、今年は供給増・需要減の見通し。今後の世界経済次第で は供給過剰の可能性が重石となり、しばらく同値圏での往来継続が見込まれる。 <パラジウム> NYパラジウム6月限は1400ドル前後での高下が続いている。今年3月下旬以来 の低水準まで値を落としたことでチャート面では下げ一服感が強まっている。 一方で買い進むだけの独自の要因に乏しいだけに勢いには欠け、引き続き1400 ドルを挟んでの高下となりそうだ。 MINKABU PRESS
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