【これからの見通し】ドル高水準での取引継続する中、あすの米CPI待ちに 為替市場は、ドル高水準での推移。強い米雇用統計を受けて高止まりする米金利と、中東情勢の不透明感が拮抗するなかで、比較的狭いレンジながらも神経質な値動きが続いている。米国では2026年末までの利上げ確率が依然として高水準にあり、10年債利回りは4.5%台、30年債は5%台へ上昇するなど、長期ゾーン主導のベア・スティープニングが進行している。これにより、金利差を反映してドルの下値は極めて底堅い一方、米株の上昇一服やリスク選好の揺らぎが調整圧力となっている。 足元の膠着相場の中で、あす発表される米CPIが方向性を決めるイベントと期待される。結果が強ければ金利上昇を通じてドル高が再加速しやすいが、ドル円は160円接近で政府・日銀の為替介入警戒が急速に強まるため、指標が強くても上値は伸びにくい。特に、過去の介入局面では「米指標でドル高 → 160円接近 → 当局の牽制・実弾介入で反落」というパターンが繰り返されており、市場は今回も同様の「上値の重さ」を織り込みつつあるようだ。まずは、ロンドン勢がドル高調整から入るのか、あすのCPIの強い結果を織り込むのかをチェックしたい。 また、中東情勢では、停戦に前向きなトランプ大統領と、作戦継続を示唆するネタニヤフ首相の温度差が市場の不安定性を高め、ヘッドライン一つでリスクオン・オフが急反転する危うい状況にある。引き続き新規報道に振りまわされる局面がありそうだ。原油相場動向をにらんだ展開となろう。 この後の海外市場で発表される経済指標では、米貿易収支が注目される。市場予想は561.0億ドル赤字と、前回の603.0億ドル赤字から赤字幅の縮小が見込まれている。米国内の堅調な消費が輸入を下支えする一方で、世界的な需要動向を背景に輸出がどれだけ伸びているのかを確認したい。その他には南ア実質GDP(2026年 第1四半期)、メキシコ消費者物価指数(CPI)(5月)、米卸売在庫(確報値)(4月)、カナダ国際商品貿易(4月)などの発表が予定されている。 発言イベント関連では、レスキュール仏財務相、ムーラン仏中銀総裁などが金融経済会議に出席する。政治の停滞が懸念される仏政局とあって、債券市場などで信認が得られるのかどうかがポイントとなろう。欧州序盤の債券動向を確認したい。その他には、米3年債入札(580億ドル)が実施される予定。米予備選(メイン、ネバダ、ノースダコタ、サウスカロライナ)が話題として取り上げられる可能性も留意しておきたい。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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