ドル円、160円台を固める展開が続く インフレ指標を見極めへ=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル円、160円台を固める展開が続く インフレ指標を見極めへ=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は160円台半ばまで上昇。介入警戒から上値に慎重ながらも160円台を固める展開が続いている。NY時間に入ってドルが買い戻されたこともドル円サポート。

 ただ、米国債利回り低下に加え、米国とイランの停戦実現の可能性、そして今週のインフレ指標を見極めようとする中、商いは低調なようだ。明日10日に5月の米消費者物価指数(CPI)、11日に生産者物価指数(PPI)の発表が控えているが、市場は大きな変動をさほど織り込んでいないとの指摘も出ている。

 現物の為替市場の取引量は直近平均の約70%に留まっているほか、米預託証券決済公社(DTCC)のデータでは、通貨オプションの取引量も通常の約80%程度に留まっているという。

 市場では、中東リスク後退による原油安定と米国債利回り低下がドルの戻り売り要因となる一方、FRBのタカ派観測が広がる中、方向感をなくしている面もありそうだ。

 ユーロドルはNY時間に入って伸び悩む展開が見られ、1.15ドル台後半から前半に値を落とした。1.15ドル台はかろうじて維持しているものの、強い買戻しの気配は見られず、上値の重い展開が続いている。一方、ユーロ円も伸び悩む展開が見られている。ここ数日ドル円に追随せず、むしろユーロドルに連動している気配が見られている。100日線の上は維持しており、上値は重いものの底堅さは堅持している。

 今週は11日にECB理事会が開催され、利上げが濃厚と見られている。短期金融市場では完全に織り込まれている状況。市場の関心はその後に移っているが、一部からは、ECBがさらなる利上げを実施すれば、ユーロ圏経済を不必要なスタグフレーションに追い込むリスクがあるとの指摘が出ている。

 中銀への信頼性は重要で、インフレ抑制のためにある程度の引き締めは正当化されるが、特に成長の勢いが弱い時の利上げは供給ショックに対する鈍い手段になり得るという。ユーロ圏の最近のインフレ急上昇は、国内の過熱よりも外部のエネルギー価格によって引き起こされている。そのため景気への信頼感がぜい弱な中、政策が過度に修正されればスタグフレーションに傾くリスクがあるという。

 ポンドドルはNY時間に入って伸び悩む動きが見られたものの、一時1.34ドル台を回復するなど買戻しの流れが見られた。200日線が1.34ドル台前半に来ており、目先はその水準が上値メドとして意識される。一方、ポンド円は買いが優勢となり、214円台後半に一時上昇。

 各国中銀で利上げ期待が高まっているが、英中銀についてアナリストからは、今後数カ月間は据え置く公算が大きいとの見方が出ている。最近発表の英経済指標は景気の弱さを示し、英中銀が金利を引き上げる可能性は低下しているという。ただし、インフレ懸念により、英委員の一部が利上げに賛成票を投じる可能性はあるとしている。

 ただ、短期金融市場では年内の1回利上げは完全に織り込み、2回目については確率が80%となっている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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