プラチナの現物相場は、米国とイランが戦闘終結に向けた覚書で合意したが、米連邦 準備理事会(FRB)の利上げ見通しを受けて戻りを売られた。またイランがホルムズ 海峡で承認された航路を使用しない船舶を攻撃し、米軍と軍事衝突したことも下げ要因 になり、昨年11月以来の安値1534ドル台を付けた。その後は、最終的な和平合意 に向けた協議で進展が見られたことや、イランの前最高指導者ハメネイ師の国葬を控え て下げ一服となったが、イランがホルムズ海峡で船舶を攻撃すると、再び米国と軍事衝 突し、トランプ米大統領は「覚書は終わった」との見方を示した。またイランの自身に 対する暗殺計画を明らかにし、攻撃の応酬が激化した。イランがホルムズ海峡の再封鎖 を発表すると、米軍もイランに対する海上封鎖を再開し、米大統領はホルムズ海峡を通 過する船舶に貨物に対する20%の費用負担を要求した。ただ費用負担は湾岸諸国の貿 易・投資協定で代替するとし、翌日に撤回された。米大統領は米東部時間16日午後9 時(日本時間17日午前10時)に国民向けに演説するとしており、イラン情勢の行方 を確認したい。 【米FRBは7月も金利据え置き見通し】 6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目 標を3.50〜3.75%に据え置くと決定した。ただ政策担当者の半数近くが利上げ 見通しを示したことを受け、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が高まった。バ ンク・オブ・アメリカ(BofA)は米FRBが一段とタカ派化するとし、年内3回の 利上げを行うと予想した。ただ6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が5万7000 人増と事前予想の11万人増を大幅に下回ると、7月の利上げ観測が後退した。また6 月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.5%上昇と前月の4.2%上昇から伸び が鈍化した。事前予想の3.8%上昇も下回った。一方、ウォーシュ米FRB議長は議 会証言でFRBの独立性を強調するとともにインフレ目標の達成に意欲を示した。CM Eのフェドウォッチで、12月のFF金利の誘導目標水準は3.75〜4.00%の確 率が43.0%(前月42.3%)と年内1回の利上げを織り込んでいる。 【プラチナETFから投資資金が流出】 プラチナETF(上場投信)残高は7月13日の米国で35.39トン(5月末 37.75トン)、10日の英国で9.90トン(同10.02トン)、南アで 4.63トン(同4.67トン)となった。米国とイランの軍事衝突や米連邦準備理事 会(FRB)の利上げ観測を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会 (CFTC)の建玉明細報告によると、7月7日時点のニューヨーク・プラチナの大口 投機家の買い越しは1万3872枚(前週1万5001枚)に縮小し、3月3日以来の 低水準となった。原油高やドル高を受けて軟調に推移し、手じまい売りが出やすい。 上海プラチナウィーク2026で、ワールド・プラチナ・インベストメント・カウン シル(WPIC)と北京を拠点とする大手宝飾品・貴金属小売業者である菜百会社(カ イバイ)は、プラチナの投資用地金を扱うとの契約を結んだ。同店では即日で30gの プラチナ投資用地金7点セットが販売されることになった。中国のプラチナ投資用地 金・コイン市場は2018年に始まり、大きく成長している。中国は消費拡大に向けた 5カ年計画を発表しており、プラチナの投資需要は引き続き拡大するとみられる。 (MINKABU PRESS CXアナリスト 東海林勇行) *15日、Yahoo!ファイナンスに掲載された記事を再配信します。
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