<金> NY金8月限は7月13日に終値ベースで4100ドルを下回った後は、4100ド ルが抵抗線になった後、下落となり、16日は終値で4000ドル割れとなった。 米6月消費者物価指数(CPI)の前年同月比は前月5月に記録した+4.2%から +3.5%に低下したうえ、6月生産者物価指数(PPI)の前年同月比も5月の6. 0%を下回る5.5%の伸びにとどまったことで、米国のインフレ高進懸念は和らい た。 一方、6月小売売上高の前月比は、米国とイランの停戦合意を受けて原油価格が2月 末以来の水準まで下落していたにもかかわらず、+0.2%となり5カ月連続で前月を 上回っている。週間新規失業件数も前週を下回り、米国の労働市場の底固さが示されて いる。 米国とイランとの間では戦闘の応酬が見られており、停戦協議の進展見通しには不透 明感が強まっている。 これに加え、ウクライナのドローン攻撃の影響で黒海北部のアゾフ海から黒海に抜け るケルチ海峡の航行が難航しているうえ、製油所への攻撃を受けて国内製油能力が低下 していることを受け、ロシアは7月8日よりディーゼル油の輸出を全面的に禁止してい る。 現時点のロシアの原油処理量は21年ぶりの低水準となる日量380万バレルまで低 下していると見られるが、ロシアとウクライナの戦闘終結の見通しは立っておらず、今 後もロシアの製油能力は低下し続けるリスクがある。 国内の原油処理能力の低下によりロシアの原油輸出が増加する可能性もあるものの、 米国ではロシア産原油購入に対する制裁を課す法案の検討が進められているうえ、ウク ライナの攻撃の影響でロシアの原油減産見通しも浮上している。 混乱を極める中東情勢、不安定な黒海情勢がエネルギー価格を押し上げることによ り、米国のインフレが再び高進に向かう可能性もある。 CMEのFedウォッチによると、早期の米利上げ観測は後退したとはいえ、年内の 利上げを見込む比率は73.3%と依然として利上げを見込む向きが圧倒的となってい る。 中東や黒海といった主要エネルギー供給地域の情勢不安によるインフレ高進の可能性 がくすぶっていることに加え、根強い年内利上げ観測が重石となり、NY金8月限は 4040ドル、16日の高値4071.9ドルを抵抗線にしてのもちあい継続が想定さ れる。 <銀> NY銀9月限は7月13日の週を迎えてから軟調傾向を強め、16日はは5559. 50セントの安値まで下落。 中東情勢不安に加え米国債の利回り上昇に加え、米株式市場で半導体関連株が軟調と なったことが重石となっている。 半導体の需要は旺盛ながらも原材料の高騰による価格の高騰が今後の需要の重石にな るとの見方も強まっている。 5月半ばにかけて浮上した後に軟化に転じていることで買い一巡感が強いことも、テ クニカル面での重石になっていることもあり、NY銀9月限は6000セントを上値抵 抗線にしての低迷が続くと見られる。 <白金> NY白金10月限は7月1日には終値ベースで1600ドルを割り込んだ。その 後、浮上しながらも1600ドル前後での高下が続いていたが、13日の週を迎えて からはじりじりと値位置を切り上げて1700ドル台に達する場面も見られている。 産業用としての需要増加観測に関してはすでに織り込み感が強いが、一方ではウクラ イナによるドローン攻撃の影響で主要輸出国であるロシアからの輸出が停滞する恐れが 高まっていることが買い支援要因になっている。 黒海情勢不安が手掛かりとなるなか底意の強い動きが予想されるが、一方では米国で の根強い年内利上げ観測が重石となっているだけに、1700ドル水準が抵抗線となり そうだ。 <パラジウム> NYパラジウム9月限は今月に入ってからは8日にかけて値位置を落として一時は 1206ドルを記録していたものの、その後は地合いを引き締めており、14日には 6月18日以来となる1300ドル台に到達。続く15日、16日と頭重い動きとなっ て1300ドルは割り込んでいるものの、1250ドルが下値支持線として意識される 動きとなっている。 ロシアはウクライナからのドローン攻撃を受けて製油能力が低下していることを受 け、7月8日にディーゼル油の輸出を全面的に禁止しているが、これを受けてロシアか らのパラジウム輸出規制の可能性が意識されていると見られる。 米国の年内利上げ観測が根強いため、ここからの上げ余地は限られそうだが、供給引 き締まり懸念に支えられ1300ドル前後の値位置を保つ底固い動きが見込まれる。 MINKABU PRESS
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。