ドル円は163円台前半で推移 中東情勢の混迷で原油高とインフレへの懸念=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は163円台前半での推移が続いた。1986年以来約40年ぶりの高値水準。中東情勢の悪化を受けたドル高がドル円を押し上げているが、投資家はドル高のカウンターとして円を迷わず選択しているようだ。 トランプ大統領は、フーシ派が紅海の航路を妨害すれば対応すると表明。米国とイランは攻撃の応酬を続けており、トランプ大統領は早期の協議に慎重姿勢を示している。それを受けて原油相場が再上昇しており、FRBの利上げ期待は根強い。来週のFOMCは据え置きとの見方が多いものの、9月の可能性を指摘するエコノミストも少なくない。 そのような中、ドル円は更なる上値を目指すとの見方は根強く、163円台を固めることができるようであれば、165円が視野に入ると見られている。 ユーロドルは引き続き膠着した展開が続き、1.14ドル台前半で推移した。オプション市場でもボラティリティは低水準で推移している。一方、円安が続く中、本日のユーロ円はドル円に沿う値動きを見せ、186円台での推移となっている。 明日はECB理事会が開催される。今回は据え置きが確実視される中、注目は声明やラガルド総裁の会見となるが、市場では9月の利上げ期待が高まっており、何らかのヒントを示すか注目される。それまでしばらく期間があることから、選択肢はオープンな姿勢を示しそうだ。 エコノミストは、今後数四半期に渡りインフレは2%目標を上回る水準での推移が見込まれることから、9月に最後の利上げを実施するとの見方を基本シナリオとしているという。その後は、これまで実施してきた引き締めの効果を見極めるため、しばらく据え置くと見ているという。一方、利下げに転じるのは2027年になると予想している。 ポンドドルは1.33ドル台での推移が続いた。NY時間の序盤に200日線が控える1.34ドルを試す展開も見られたものの上値を抑えられている。200日線を再びブレイクしており、6月下旬から7月中旬にかけてのリバウンド相場に黄色信号が点灯している。フィボナッチ50%水準が1.3350ドル付近に来ており、目先の下値メドとして意識。なお、フィボナッチ38.2%水準は200日線も来ている1.34ドルちょうど付近。一方、ポンド円はロンドン時間に217円台に下落する場面が見られたものの、NY時間に入って218円台に戻す展開。ドル円に沿う展開が見られている。 この日は6月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、前回から鈍化を示した。これを受けて英中銀による早期利上げへの期待は後退している。ただ、エコノミストは「家計のエネルギー料金には、この夏のエネルギー価格ショックがまだ完全には反映されておらず、英エネルギー規制当局(Ofgem)の料金上限引き上げによって、今後数カ月はインフレが再び上昇するだろう」と指摘。 中東情勢を巡る緊張激化により、インフレが4%に達するシナリオも再び視野に入り、年内の利上げ期待は根強い。短期金融市場では年内2回の利上げを高確率で織り込んでいる。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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