石油週間見通し=急騰で一代高値が視野、中東の一段の緊迫で深刻な供給懸念

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油はさらに戻り高値を更新する展開。9月限は3営
業日連続で80ドル台に乗せているが、現状では80ドル台で上値の重さが感じられる
値動き。5月18日の高値95.30ドルから7月2日の安値の67.12ドルまでの
下げ幅の半値戻しに当たる81.21ドルにはまだ到達していない。上抜けた場合は6
1.8%戻しの84.54ドル、78.6%戻しの89.27ドル辺りが目先の上値目
標となるとした。

【NY原油9月限は一代高値が視野、上抜ければ100ドルが上値目標へ】
 ニューヨーク原油9月限の80ドルを挟んだもみ合いは結局、上昇相場の中の一時的
足踏みとなり、戻り高値を更新すると一気に上げ足を加速する展開となった。すでに
78.6%戻しの89.27ドルを上抜けて、23日には93.50ドルまで戻り高値
を更新した。一代高値の95.30ドルは目前に迫っている。
 これを上抜けると、100ドルの節目が上値目標となり、1.618倍戻しの
112.72ドルまで上値余地が拡大することになる。ブレント原油9月限はひと足先
に100ドル台を回復した。
 日柄的には29日が満月のため、その辺りで満月天井を付ける可能性が出て来た。

 材料的には、米軍のイラン攻撃が13日連続となるなど、米国とイランの軍事衝突が
続くなか、それに加えて、前回の当欄で指摘したイエメンの武装組織フーシ派によるバ
ブ・エル・マンデブ海峡封鎖(紅海の入り口)による原油供給の紅海代替ルートの遮断
が現実的になってきた。
 23日に同海峡を通過中のサウジアラビアの石油タンカー2隻からフーシ派から攻撃
を受けたことが報じられている。フーシ派は20日にサウジに対する海上封鎖を実施す
ることを表明している。このような経緯もあって、紅海南部を通過する海上輸送の保険
料が23日に2倍に跳ね上がっていることが報じられており、単に安全航行上の問題だ
けでなく、コスト面からも紅海経由は使いづらくなっている。
 ただ、紅海側のサウジの石油積み出し港、ヤンブー港(輸送能力は日量700万バレ
ル)でサウジ産原油を積んだ中国タンカー2隻が22日に同海峡を通過したことも報じ
られている。フーシ派も海峡を通過する船舶を無差別に攻撃しているわけではないよう
だ。
 いずれにせよ、ホルムズ海峡を通過する船舶が再び減少していることが報じられてい
る現在、紅海側のヤンブー港からの供給が恒常的に停滞するような事態に陥れば、原油
価格がさらに噴き上げることがほぼ必至の状況だ。

 トランプ米大統領は「イランにかつてない大規模な攻撃を行う」と述べて強硬姿勢を
崩しておらず、原油相場の観点から見ると、まさに「火に油」を注いでいる。
 一方、イラン革命防衛隊(IRGC)は、英国のフェアフォード空軍基地から飛来し
た米B−1爆撃機がイランを空爆したことについて、「イラン領土攻撃に使用されるあ
らゆる基地は、イランの正当な標的とみなされる」と警告するなど、戦火がさらに飛び
火する気配すら出て来た。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は7月初旬に付けた過去最高値から反
落基調。ただ5万1000ドル台は維持している。
 ドルインデックスはさらに上昇して、101ポイント台半ばで推移。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である12月限は、上昇中のボリンジャーバンドの2シグマ(8万
2130円辺り)を上値抵抗としたきれいな上昇のバンドウォークとなっている。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油9月限は急騰してほぼ青天井化。急上昇しているボリンジャーバン
ドの2シグマ(89.04ドル辺り)をさらに大きく上回るランナウェイ相場。一代高
値の95.30ドルが視野に入ってきた。
 ブレント原油9月限もほぼ同様のランナウェイ相場。ボリンジャーバンドの2シグマ
(97.05ドル辺り)を大きく上回り、100ドル台に到達した。こちらも一代高値
の103.26ドルが視野に入っている。


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