<金> NY金8月限は4000ドル前後で高下した後、22日に浮上して4092.5ドル の高値をつけたが、翌23日は大幅反落となった。 6月の米消費者物価指数(CPI)の前年同月比は5月実績の+4.2%、事前予想 の+3.8%を共に下回る+3.5%にとどまった。また、6月生産者物価指数(PP I)が前月比で−0.3%を記録したことでインフレ高進に対する警戒感が和らいだこ とは米利上げ観測を後退させる根拠となり、金市場で強気材料視された。しかし7月に 入り、米国とイランの戦闘が激化し、中東からの原油供給不安が高まっていることがイ ンフレ高進に対する警戒感を再燃させている。 中東からの供給不安に加え、ウクライナのドローン攻撃の影響で、ロシア国内の製油 能力が低下し、ロシアが軽油輸出を停止しているうえ、ロシアにとって重要な輸送ルー トであるアゾフ海からケルチ海峡を通るルートでの運航が難航していることが、ロシア からのエネルギー供給不安を高めている。 米国とイランの戦闘が激化し、原油価格が100ドルを超える場面が見られた時期に は年内に2回の利上げを見込む声も浮上し、これが金価格を4000ドルを下回る水準 まで下押す要因になってきた。それだけに、米国の年内利上げ観測は市場に既に織り込 まれていると見られる。 とはいえ、有事に加え利上げを見込んだドル買いの動きが引き続きNY金市場の上値 抑制要因になってくると見られ、NY金8月限は25日移動平均線(4100ドル)、 22日の高値4171.4ドルが抵抗線として意識され、今後、数週間は低迷が続くと 予想。 28日に米公開市場委員会(FOMC)が開催される。今回は金利の据え置きが見込 まれるが、その後の記者会見でウォーシュ議長がどのような姿勢を見せるのか、また、 FOMCではどのような意見が交わされたのかが注目要因。ウォーシュFRB議長が物 価安定に意欲的な姿勢を改めて示すようであれば金の上値はますます重くなってきそう だ。 <銀> NY銀9月限は7月17日に5500セントまで値を沈めた後に反発に転じ22日に は6127セントの高値を付ける場面も見られたが、その後は反落。23日の終値は 5789.5セントと再び6000セントを割り込んでいる。 米国の年内利上げがほぼ織り込まれたことが上値を抑制する要因になっているうえ、 世界の株式市場で半導体関連株が値を落とす場面が見られていることも弱材料となって いる。 半導体の高騰による電子機器の値上げが需要の低迷を招く恐れが警戒されていること も銀市場にとっての重石となっている。金の上値抑制が予想されることもあって、NY 銀9月限は引き続き6000セント前後での高下が続きそうだ。 <白金> NY白金10月限は7月1日に1539.6ドルの安値を付けた後は若干値位置を 切り上げたものの、その後は1600〜1700ドルのレンジ内でのこう着状態が続い ている。 ロシアとウクライナの戦闘激化を受けてロシアからの輸出引き締まり懸念も浮上して いるが、一方では半導体の価格高騰を受けて電子機器の需要減少の可能性も意識されて いる。 世界的に半導体関連株が頭重い動きとなる場面が見られていることも上値抑制要因に なっている。引き続き1600〜1700ドルのレンジを中心としたもちあいとなるの では。 <パラジウム> NYパラジウム9月限は22日に1328ドルまで値を伸ばし、終値ベースでも 1300ドル台を記録した後、23日には反落に転じたが、1250ドル台は維持する 底堅さを見せている。 主要供給国であるロシアからの供給不安が下支え要因となる一方、上値は他貴金属の 頭重い動きに抑制されている。 引き続き1300ドルを上値抵抗線として意識するなかでの高下になると予想され る。 MINKABU PRESS
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