ドル円が急落 日本の当局による介入観測が強まる=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル円が急落 日本の当局による介入観測が強まる=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、円が急上昇し、ドル円は163円台から一気に158円割れまで一時急落した。21日線、100日線と割り込み、一気に158円ちょうど付近に来ている200日線まで一時到達。

 前日のFOMCを受けてドル安が強まっているが、そのような中、市場では日本の当局による介入観測が強まった。アナリストによると「円先物の取引量が急増しており、円高が進む局面で典型的に見られるパターンとなっている。これは介入を実施した際によく見られた光景だ」と述べていた。

 実際に介入が行われたかどうかは確認できていない。ただ、FOMC後で、日本市場の取引終了後というタイミングは、これまでの財務省の介入手法と一致しているとの指摘も出ていた。明日の夕方に介入の実績を示す外国為替平衡操作の7月分のデータが公表されるが、7月29日分までで、本日の分は含まれていない。いつも通りに日銀の当座預金残高の「財政等要因」の予想データから判断するしかなさそうだ。

 明日は日銀決定会合の結果が公表される。据え置きが確実視され、植田総裁も予想以上にタカ派な姿勢を示す可能性は低いと見られている。ドル円が本格的に下向きの流れに変化したと見る向きは少なく、下値での買いを推奨する声も聞かれた。

 前日のドル安がさらに加速する中、ユーロドルは1.15ドル台を回復。本日の上げで21日線を上放れしており、テクニカル的に買いシグナルが点灯。ただ、短期的には上昇基調が意識されやすい状況だが、依然として100日線と200日線の下での推移となっており、中期的なトレンド転換には至っていない。本日1.1565ドル付近に来ている100日線を明確に突破できれば、一段と買いシグナルが強まりそうだ。一方、円高が強まり、ユーロ円も一時182円台前半まで急落。

 本日は7月のドイツ消費者物価指数(HICP)速報値が発表になっていたが、6月の2.3%から2.8%へ加速した。主因はエネルギー価格の上昇だが、財や輸送、医療分野でも物価上昇が加速が見られ、エネルギー高が全体へ波及し始めた初期の兆候が見られていた。

 今後のインフレ動向は中東紛争の行方に大きく左右されるものの、エネルギー価格上昇は今後数カ月に渡り、輸送コストや食品価格、工業製品価格へ波及していく可能性が高いとの見方もある。ユーロ圏の第2四半期GDPが予想以上に堅調だったことや、景況感指数の改善も踏まえると、ECBはそれらを9月利上げを正当化する根拠として利用する可能性が高いとの指摘も出ている。

 ポンドドルは1.34ドル台後半まで上昇。一方、ポンド円は一時212円台前半まで急落。英中銀は本日の金融政策委員会(MPC)で予想通りに政策金利を据え置いた。採決は6対3となり、ピル委員、グリーン委員に加えてマン委員も利上げを支持し、予想以上にタカ派色の残る内容となった。

 しかし、短期金融市場では年内の利上げ観測が後退している。声明では、高止まりするインフレに対応するため「必要に応じて行動する用意がある」とのガイダンスを維持したものの、国内のインフレ圧力には和らぐ兆候が見られ、エネルギー価格上昇が賃金や他の財・サービス価格へ波及している証拠は現時点で限定的との認識を示した。

 据え置きを支持した委員の多くは、中東情勢が早期に落ち着けば政策判断を見直す可能性があるとし、そのうち2人は利下げも選択肢になり得るとの考えを示していた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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