<金> NY金12月限は今月23に4202.4ドル高値をつけたが、その後、急落とな り、29日には4053.9ドルまで下落した。30日に4180.2ドルまで反発す る乱高下となっている。 依然として米国の金融政策が意識されるなかでの高下が続いているが、不安定な情勢 が続く中東情勢に対する警戒感が強い。 米国とイランの間では、最終的な戦闘終結に向けた覚書に署名して以降、戦闘が停止 されたうえ、ホルムズ海峡の航行回復が期待されていた。 これによりNY原油9月限は米国とイランの戦闘が開始される2月28日以前の水準 まで値を落とした。また、原油価格が下落したことで、インフレ高進に対する警戒感は 和らぐと同時に、米国の利上げ観測も後退した。しかし、米国とイランの戦闘が再開さ れており、今後の見通しが付かないことを受けてNY原油は再浮上し80ドルを回復す るに至っている。 米国でインフレ高進の兆候が強まるようであれば利上げ観測が高まることが予想され る。7月開催の米公開市場委員会(FOMC)では金利の据え置きが決定されたもの の、米連邦準備理事会(FRB)のウォーシュ議長はFOMC後に行われた記者会見に おいて、インフレ目標は2%が唯一、としたうえで、引き続き物価高の安定に注力する 姿勢を示している。 中東情勢不安を受けた原油価格の再浮上に加え、世界的なAI需要を受けて半導体価 格が高騰するなか、電子機器類の価格上昇が促されるなど、インフレ高進が落ち着く メドが付かない状態が続いている。 CMEのFedウォッチでは7月30日時点で年内の利上げを見込む比率は85. 7%となっている。依然として高水準にあるため、年内の利上げは金市場にほぼ織り込 まれていると見られる。 とはいえ、中東情勢不安を受けた原油価格の再浮上、AI需要を背景とした電子機器 類の価格上昇、今後も物価の高止まりを促しかねない材料が意識される状況が続いてい ることで、NY金の上値は引き続き重いと見られ、4200ドルを上値抵抗線にしての 高下が続くだろう。 8月3日の週には米雇用統計が発表され、米雇用の軟化が伝えられるようであれば 利上げ観測を後退させるものとなるため、NY金市場にとっては強気材料となると見ら れるだけに、その内容が注目される。 <銀> NY銀9月限は約1か月に渡って6000セントを上値抵抗線にしての安もみが続い ている。 産業用としての銀需要増加の強気材料を織り込む一方で、価格高騰に伴う需要離れに 対する警戒感の高まりや、米利上げ観測を受けたNY金の頭重い動きが上値抑制要因に なっている。 30日は米ドルが対円中心に値を落としたが、需給面の材料には織り込み感が強いだ けに現在の価格水準を突破するためにはドル安傾向が長期化するなど、新たな材料が必 要である。新規材料が台頭するまではもちあい継続か。 <白金> NY白金10月限は6月後半からは限られたレンジ内でのもちあいとなっている。 産業用としての需要増加を織り込んだ後は、価格高騰を受けた需要不安が弱材料視さ れて値を落とした。また、米利上げ観測も上値を抑制する要因になっている。 需給面での新たな要因やドル売り傾向が強まるなどの動きが見られない限り、現在の 価格水準を維持しての高下が想定される。 <パラジウム> NYパラジウム9月限は6月下旬の1200ドル割れの水準からは浮上してきたもの の、1300ドルを上抜いたところで頭打ちとなる展開が続いている。 引き続きロシアからの供給不安が下支え要因になると見られるが、他貴金属が頭重い 動きが想定されるだけに浮上の可能性は見込み難く、同値圏での往来継続となりそう だ。 MINKABU PRESS
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