【通貨別まとめと見通し】メキシコペソ円:9.40円台の足場崩壊、リスクオフの波に呑まれ9.00円大台割れ目前のパニック売りへ

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【通貨別まとめと見通し】メキシコペソ円:9.40円台の足場崩壊、リスクオフの波に呑まれ9.00円大台割れ目前のパニック売りへ

先週から週明け(8月31日〜9月7日)のまとめ
前週から週前半にかけては9.40円台を挟んだ攻防が続き、底堅い推移を見せていたメキシコペソ円であったが、週半ばから突如として暗転する一週間となった。9月1日(火)〜2日(水)には一時9.44円台まで上値を伸ばしたものの、買いの勢いは続かず失速。3日(木)に入ると雰囲気が一変し、それまで機能していた9.30円台のサポートを明白に下抜けた。週末4日(金)には米雇用統計などを背景とした世界的なリスクオフの波が直撃し、一時9.15円台まで急落。週明け7日(月)以降も下げ止まる気配は一切なく、足元8日(火)の午前中にはついに9.00円の大台割れ目前となる9.006円付近まで突っ込む大暴落劇となった。高値からわずか数日で約0.44円(率にして約4.7%)もの強烈な下落となり、完全に下落トレンドへと転換している。

詳細な値動きの振り返り
■ 9.40円台の底堅さとブレイク失敗(8月31日〜9月2日)
週前半は、概ね9.38〜9.44円を中心とするレンジで推移した。日欧通貨が軟調な動きを見せ始める中でも、高金利通貨であるペソは特有の底堅さを発揮し、9月2日(水)の深夜には9.44円台まで上値トライする場面も見られた。しかし、直近高値をブレイクできずに跳ね返されたことで、徐々に上値の重さが意識され始めた。

■ サポート陥落とボラティリティの急拡大(9月3日〜4日)
9.40円台の維持に失敗した相場は、3日(木)に入ると売り圧力が強まり、絶対的なサポートラインと見られていた9.30円を欧州時間にあっさりと下抜けした。週末4日(金)には米雇用関連指標を受けた「世界同時株安(リスクオフ)」に連動。押し目買い勢のストップロスを巻き込みながら9.15円台まで急落し、ペソ円特有の乱高下(ボラティリティの急拡大)を伴う危険な相場つきへと変貌した。

■ 止まらない投げ売りと9.00円への接近(9月7日〜足元)
週明け7日(月)は9.25円付近からのスタートとなったが、反発力は限定的であった。欧州時間以降、再びリスクオフの円買いが強まると下落が加速。8日(火)の東京時間午前には、個人投資家の追証売り(ロスカット)を巻き込むナイアガラ状の下落となり、一時9.006円まで突っ込んだ。大台の9.00円割れが目前に迫る、極めて神経質な展開となっている。

ファンダメンタルズ分析
メキシコ側:政治的リスクのくすぶりと新興国通貨売り
メキシコ国内における司法制度改革案などを巡る政治的警戒感(コンスティテューショナル・リスク)がくすぶっており、海外投資家からの資金引き揚げ懸念がペソの単独売り要因として意識されている。新興国通貨全般に対する投資家心理の悪化も、ペソの上値を重くしている。

日本・米国側:米景気後退懸念と「円キャリー巻き戻し」の再燃
米国の経済指標悪化を契機とした「米景気後退(ハードランディング)懸念」により、グローバルな株安・リスクオフの連鎖が発生した。これにより、日本の低金利で資金を調達して高金利のペソを買う「円キャリートレード」の強烈な巻き戻し(ポジション解消のペソ売り・円買い)が再稼働しており、これが最大の暴落要因となっている。

テクニカル分析
トレンド判断
日足・時間足レベルで見ても、9.40円台で形成していた「天井圏での保ち合い」を下へ明白にブレイク(下方乖離)したことで、完全な「下落トレンド(弱気相場)」が成立している。これまで下支えとなっていた9.30円、9.20円といった節目がことごとく突破されており、これらは今後、強力な「レジスタンス(上値抵抗帯)」として立ちはだかることになる。短期的な移動平均線との下方乖離も広がっているが、安易な逆張りは危険なチャート形状である。

【メキシコペソ円 主要なレジスタンス・サポートライン(大幅見直し)】

(上値抵抗帯)
レジスタンス3: 9.38 - 9.40円 (暴落前のレンジ下限、中長期的なトレンド転換ライン)
レジスタンス2: 9.25 - 9.28円 (週明けの戻り高値、ここを越えられない限り弱気継続)
レジスタンス1: 9.15 - 9.18円 (9月4日の安値圏であり、直近の強力な戻り売りポイント)

(下値支持帯)
サポート1: 9.00 - 9.02円 (足元の最安値圏であり、超巨大な心理的節目)
サポート2: 8.80 - 8.85円 (9.00円を明白に割れた場合の次なるテクニカル防衛線)
サポート3: 8.50 - 8.60円 (過去の暴落局面で意識された中長期的な大底圏)

今週のポイント・見通し
今週の最大の焦点は、「9.00円の大台(心理的節目)を死守できるか」、あるいは「あっさり割れてセリングクライマックス(総悲観)を迎えるか」にある。

【メインシナリオ】戻り売り優勢の展開、9.00円割れからの下値探り
突っ込み警戒感から短期的な買い戻しが入り、9.10〜9.15円付近まで戻す場面があったとしても、上値には含み損を抱えた大量の買いポジション(シコリ)が残存しているため、戻り売り圧力に押される展開。反発力の弱さが確認されれば、ストップロスを巻き込んで9.00円の巨大な壁をブレイクダウンし、8.80円台方向へ向けた下落トレンドの第2波が発生する動きを見込む。

想定レンジ: 8.85 - 9.18円
根拠: テクニカルな完全な下落トレンド、新興国通貨からの資金流出(リスクオフ)、個人投資家の耐えきれない投げ売り。

【対抗シナリオ】9.00円防衛と極度の売られすぎからの自律反発
9.00円という大台が「最後の砦」として強固に機能し、ここをバックにした強烈な買い戻し(ショートカバー)が発生する展開。米国の株安が落ち着きを見せ、過度なリスクオフ心理が後退した場合、極度な売られすぎ感(オシレーターの底張り付き)の是正も相まって、9.20円台から9.25円付近まで急速にリバウンドする可能性がある。

想定レンジ: 9.00 - 9.28円
根拠: 9.00円大台の心理的サポート、短期的な突っ込み過ぎ(オーバーシュート)の反動、高金利を狙った投機筋の押し目買い。

総評
ペソ円相場は、高金利通貨の最大の弱点である「リスクオフ時の脆弱性」と「キャリートレード巻き戻しの連鎖」が重なり、買い方の逃げ場がないまま暴落する凄惨な展開となっている。

現状は完全な下落トレンドであり、「スワップポイント(金利差)狙い」や「値頃感」による安易な買い下がり(ナンピン)は、口座資金を致命的な危険に晒す行為である。基本戦略としては、反発局面(9.10〜9.15円付近)を待っての「戻り売り(ショート)」が推奨される。ペソ円をトレードする際は、平常時の数倍のボラティリティが発生していることを念頭に置き、レバレッジを極力下げ、ストップロスを必ず設定する厳格なリスク管理が求められる。

今週の主な予定と結果
09/09 21:00 消費者物価指数(CPI) (8月) 予想 0.3% 前回 0.03% (前月比)
09/09 21:00 消費者物価指数(CPI) (8月) 予想 3.3% 前回 3.12% (前年比)
09/11 21:00 鉱工業生産指数 (7月) 予想 -0.1% 前回 0.2% (前月比)
09/11 21:00 鉱工業生産指数 (7月) 予想 1.8% 前回 1.7% (前年比)

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