石油週間見通し=NY原油100ドル突破、サウジ東西パイプライン攻撃の噂

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油10月限は目先の天井の水準が焦点となる。上値
目標としては、7月23日の高値88.07ドルから8月6日までの安値73.10ド
ルまでの下げ幅の1.618倍戻しの97.30ドル辺りとなるが、やや遠いため
1.382倍戻しの93.79ドル辺り、95ドルの節目にも注意しておきたいとし
た。

【NY原油10月限は100ドル突破、中東産は一時122ドル乗せ】
 ニューヨーク原油10月限は結局、前述の節目ことごとく上抜く急騰相場になった。
9日に96.93ドルまで上昇して、1.618倍戻し(97.30ドル辺り)で収ま
るかと見ていたが、10日にそれを一気に上抜いてから暴騰した。104.04ドルの
一代新高値を付けた後、引けは102.48ドルまで上げ幅を縮小したが、11日のア
ジアの時間帯の朝方の時間外取引で104.46ドルまで一代新高値を更新した後、午
後には102ドル台まで崩れる激しい値動きとなっている。
 なお、実際の取引で供給懸念が強まってる中東産原油の現物はさらに高騰しており、
11日にドバイ原油、マーバン原油(アラブ首長国のアブダビで産出、取引量が多い)
ともに現物が一時122ドル台に乗せた。
 目先は、どこで陽の極(バイイング・クライマックス)を付けるかが焦点となるが、
中東産の現物高騰も考慮すれば、乱高下しながらも目先は高値圏を維持するような展開
が予想され、まだ天井を付けていないと見ておきたい。

 材料的には、イランが米国の同国のタンカー攻撃への報復として、9日にホルムズ海
峡付近で船舶10隻を攻撃したと表明するなど、米国とイランのタンカー攻撃が激化し
ていることに加えて、サウジアラビアへの攻撃を強めているイエメンの親イラン武装組
織、フーシ派がイエメン西部の拠点で、紅海の南の入り口であるパブ・エル・マンデブ
海峡にも近い港湾都市のモカを掌握したことを表明して、紅海の安全航行に対する懸念
がさらに強まっている。
 サウジとしては、同国の東西の石油輸出拠の双方で供給懸念が続いており、海運調査
会社、ケプラーによると、8月のサウジの原油輸出量は日量320万バレルと、13年
振りの低水準てまで落ち込んだ。また、米国とイスラエルのイラン攻撃以前は同700
万バレルだったため、半分以下となっている。
 しかも、現在、フーシ派がサウジの東西を結ぶパイプラインを攻撃して被害を受けた
との噂が出ている。現時点まで同国の国営石油会社、サウジアラムコからの公式発表は
ないが、米国航空宇宙局(NASA)などの衛星データなどからその可能性が強く疑わ
れている。もし公式発表などがあれば、原油はさらに噴き上げる可能性があるので要注
意。
 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はまだ高値もみ合いの範疇だが、5万
2000ドル台割れを試す展開となっており、さらに一段安があれば、もみ合いレンジ
下限を下放れる可能性もある。
 ドルインデックスは9月に入ってからの反落も98ポイント台後半で下げ渋り模様と
なり、直近は99ポイント台を回復している。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である2月限は5営業日連続で陽線引けとなり、上昇中のボリンジ
ャーバンドの2シグマ(8万0170円辺り)や8万円の節目を大きく上回り、11日
には8万3390円の戻り高値(一代高値は8万5060円)を付けた。ただ、引けは
8万1210円と高値から2000円以上崩れて日足は長い上ひげを付けた。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油10月限は上昇中のボリンジャーバンドの2シグマ(97.92ド
ル辺り)に沿った上昇が続いたが、10日の大陽線でそれを大きく上回るランナウェイ
相場。104.04ドルの一代新高値(その後のアジアの時間の時間外取引で
104.46ドルまでさらに一代新高値を更新)を付けた。
 ブレント原油11月限も似たようなランナウェイ相場。上昇中のボリンジャーバンド
の2シグマ(103.28ドル辺り)に沿った上昇が続いた後、10日の大陽線で
109.68ドルの一代新高値。110ドルの節目が視野に入っている。


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