<金> NY金12月限は4500ドル台半ばに達すると売り直される頭重さを感じさせなが らも、4400ドルを支持線とする動きが続いていたが、10日は4350ドル台まで 値を落としている。 原油価格の高騰を受けたインフレ高進が見込まれるなか、米長期債の利回りが上昇し たことや、米利上げ観測が強まっていることが背景と見られる。 米国とイランとの間では、6月に交わされた戦闘終結に向けた協議のための停戦合意 の覚書の期限が切れて以降、その覚書を延長する動きが見られないばかりか、タンカー を狙っての攻撃の応酬が繰り広げられるなど、中東情勢は混迷を深めている。 先の見えない中東情勢不安を受けてNY原油10月限は10日に急伸し一代の高値 となる104.04ドルを記録。終値で102ドル台を維持する高騰となっている。 原油価格の高騰は、インフレ高進に対する警戒感を高めると同時に、米長期債の利回 り上昇を促した結果、10年物米国債利回りは23年10月以来の高水準まで上昇。一 方の30年債利回りも07年6月以来の水準に達する場面が見られた。 米国で15〜16日に米公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、これまでウォ ーシュFRB議長は、物価安定に注力する姿勢をたびたび示してきた。それだけに、こ のところの原油価格の高騰がFRBの利上げに向けた動きを前進させる可能性が意識さ れる。 10日に発表された8月の米生産者物価指数(PPI)は前月比が+0.4%、前年 比が+5.4%で予想以上の上昇となった。これはFOMCにとっては利上げに向けて 前進する材料が一つ増加したことを意味する。 11日に米消費者物価指数(CPI) が発表され、その内容が注目される。原油価 格の高騰が続きながらも雇用の安定が確認できていることで、9月は金利が据え置かれ ても、年内に利上げを実施する可能性はさらに高まったと見られる。 長期債の利回り上昇の要因の一つとして各国の財政の悪化が挙げられることは、安全 資産としての金需要を刺激する要因となり得るものの、高まる利上げ観測がこれを吸収 すると見られる。 15〜16日のFOMCの決定事項、討議の内容次第という側面が強いなか、NY金 は米国とイランの和平に向けた動きが見られるなど、原油価格を押し下げる要因が浮上 しない限り、高まるインフレ高進の可能性を受けた利上げ観測が重石となり、4400 ドルを抵抗線にしての高下となりそうだ。 <銀> NY銀12月限は8月10日以降、6500セントを支持線にしてのもちあいが続い ていたが、10日の取引で大きく下落し6400セントを割り込む場面があった。 工業用としての需要増観測を織り込んだ後はNY金に連動する動きが続いているが、 高まるインフレ高進懸念や長期債の利回り上昇がNY金の圧迫要因となっているだけ に、NY銀12月限は8月19日の安値6320セントを目先の支持線としての往来に なると予想する。 <白金> NY白金10月限は10日に100ドル超の下落となった。前日9日に1936.8 ドルまで上昇し、今年6月3日以来の高値まで値を伸ばしたが、9日の上げ幅を完全に 相殺した。この動きで目先の上げ一巡感が強まったと見られる。 白金はNY金と連動する動きが見られているが、混迷する中東情勢を受けた原油価格 の高騰がインフレ高進を促すと予想されるなかNY金が頭重く推移すると予想されるだ けにNY白金の上値も重い。目先は9月2日に付けた1717.9ドルが下値目標とし て意識される頭重い動きになるのではないか。9日にワールド・プラチナ・インベスト メント・カウンシルが発表した四半期報告で今年のプラチナ需給は8トンの供給過剰と の予想。弱気相場の場合、供給過剰予想が売り口実とされそうだ。 <パラジウム> NYパラジウム12月限は10日の取引で暴落して1300ドルを割り込み、今年 8月4日以来の水準まで値を落とした。 原油価格の高騰を受けたインフレ高進観測や米利上げ観測の高まりが重石となるな か、引き続き売り優勢で運ばれると見られる。 MINKABU PRESS
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